【大紀元日本1月17日】中国政府が計画している同国雲南省とシンガポールを結ぶ「東南アジア縦貫鉄道」計画は、初めて通過予定国の承認を得た。英紙デイリーテレグラフはこのほど、ラオス政府は昨年、同プロジェクトを「優先すべき」だとし、関係国にも協議の締結を呼びかけたと報じた。
同報道によると、中国と政治形態が類似する一党独裁の社会主義国のラオスのトンシン首相は昨年、中国の李克強首相と会見する際、双方が全計画の一部にあたる、ラオス国内での鉄道建設に合意した。
建設には2万人の中国人が参加し、2019年に完成する予定。ラオス国内は現在、ほとんど鉄道が敷かれていないため、プロジェクトは大規模なものになるという。国境の町ボーテンから首都ヴィエンチャンまでの区間だけでも、154の鉄道橋と76のトンネル、31の駅の建設が必要だ。
インフラ整備や産業開発では立ち遅れるラオスだが、カリュウムや天然ゴムなどの天然資源は豊富。今回の建設でラオス政府は、未開発の鉱山を抵当に中国から約7700億円を借り入れ建設費に充てる予定。これは同国の国内総生産(GDP)の9割に相当。複数の国際金融機関はこの巨額な借款を「待ち構える災難」だと指摘し、ラオスには返済する能力はないとみている。
中国の「東南アジア縦貫鉄道」計画は同国の雲南省・昆明市を起点とし、ラオス、タイ、マレー半島を通り、シンガポールに至るというメインルートと、ミャンマーやカンボジア、ベトナムに入る支線がある。デイリーテレグラフは、高速鉄道で東南アジアとつなぐことは北京のかつてからの夢だとし、このルートを利用して中国は商品を同地域に持ち込み、また同地域から資源を持ち帰ることを目論んでいるという。同鉄道の建設はまた、中国経済圏の構築に重要な役割を果たすことになるとみられている。
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