【大紀元日本1月7日】中国国家林業局と税関総署は6日、広東省で没収した密輸象牙6.1トンを公開粉砕した。中国での需要拡大で密猟が増えていることが国際社会に批判されているなか、取り締まり強化の姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。
野生生物の国際取引に関するワシントン条約の事務局長が立会う中、過去10年間に押収された象牙や象牙で作られた装飾品など合わせて6、1トンを大型粉砕機に投入し処分した。処分の様子が初めて公開された。
中国では富裕層の増加で、象牙への需要が年々増え、世界の象牙需要の70%を占めるといわれている。国際機関などは象牙の最大の密輸先だとして、中国政府に取締りの強化を求めている。
中国税関関係者は仏通信社AFPに対し、「中国に密輸される象牙は毎年10%の割合で増えている」と話し、完全撲滅までにはまだ時間がかかるとの見通しを示した。
象牙の取引価格は、90年代の1キロ1000元(約1万6千円)から現在の2~3万元(32~48万円)まで高騰している。
一方、アフリカゾウは30年間で60%減となり、2011年と12年にはそれぞれ1、7万頭、1、5万頭が撲殺された。さらに、象牙を完全な形で取り出すため、ゾウの頭部を切り落とすなど密猟者の残忍な手法も批判されている。
(翻訳編集・高遠)