【大紀元日本11月20日】スペインの全国管区裁判所は19日、中国の江沢民元国家主席(87)、李鵬元首相(85)ら政権幹部経験者5人の逮捕状を発付した。1980~90年代にチベットで「ジェノサイド(大虐殺)」に関与した容疑だという。江沢民は2009年にも、法輪功迫害の主謀として、スペインで「ジェノサイド」と「拷問罪」で起訴され受理されていた。
亡命チベット人向けのラジオ局「チベットの声」(本部オスロ)によると、スペインのチベット人権団体は2005年に、江沢民らがチベットでの「ジェノサイド、人道に対する罪、拷問、テロ」に責任があるとして刑事告発した。今年10月10日に、スペイン全国管区裁判所が受理し審理を始めた。
同団体メンバーのテゥブテン・ワンチェン氏はスペイン国籍を持つ亡命チベット人。スペインの法律は、普遍的な正義の原則を認めていて、大虐殺の容疑者については、少なくとも1人がスペイン国民であれば、国外のことであっても裁判にかけることができる。今回の裁判で、裁判所は「当時の政治・軍の高官が関与した疑いがある」との見解を示した。
チベットではこれまでに120人以上の僧侶や一般住民が中国政府の圧政に抗議し、焼身自殺をしている。ワンチェン氏は各国に亡命しているチベット人に、中国のチベット問題をそれぞれの亡命国で起訴するよう呼びかけた。
スペインでは2009年11月にも、法輪功迫害で「ジェノサイド」と「拷問罪」を犯したとして江沢民や、法輪功を迫害する専門機関である「610弁公室」トップの羅幹、薄熙来受刑者、元北京市党委書記の賈慶林、元規律検査委員会トップの呉官正が起訴され受理された。
米海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は当時、スペインのイスマエル・モレノ判事は、法輪功学習者が中国で受けた拷問に関する2年間におよぶ調査を経て、政権の高官らを起訴する決定を下したと報じていた。
江沢民ら法輪功を迫害する共産党幹部は30数カ国と地区で「ジェノサイド」や「拷問罪」で起訴されている。スペインのほか、アルゼンチンでも2009年、江沢民と羅幹に逮捕状を出している。日本でも2005年、江沢民、羅幹ら4人の高官が大阪地裁で提訴された。
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