【大紀元日本10月15日】豪雨で70%の地域が水没した浙江省余姚市。14日で一週間が経過したが、水はまだ引いていない。救援物資も届かないなど政府の対応に被災者は不満を募らせている。一週間も食事を取れず、餓死者が出ているという情報もある中、「市民の生活は正常に戻った」との捏造報道に被災者たちの苛立ちはピークに達しており、抗議活動が相次いでいる。
台風の爪痕がまだ深く残っている。水は徐々に引き始めたが、腰まで水が溜まっている地域もある。現地の住民は12日、大紀元時報の電話取材に応じ、洪水が発生してから5日間、周辺の住民には救援物資がまったく届いていないと答えた。町中に溜まっている水は腐敗した匂いを放ち、死んだ家畜の死体が水面に浮かんでいる。避難生活が長引いているため、体調を崩した住民も増えている。
「助けが来ない。家の食品はもう底をついている、水道水も汚くて飲めない。何日も食べていない人もいる」と前出の住民は訴えた。中に餓死者が出ているとの情報もある。
救援物資の不足で一部の地域では救援物資の強奪が起きたという。同市政府の責任者は大手ポータルサイト「新浪網」の取材に対し、「そのような事実はない、救援物資を取り合う程度」と答えたが、後に記者は救援物資を奪い合う現場を目撃した。
市民に配給した救援物資の詳細を問う新浪網の記者に対して、その責任者は「非常に大量であるため、全力を挙げて市民に届けようとしている最中だ」と曖昧な説明を繰り返した。
そんな中、地元テレビ「寧波電視台」が11日、市内の高台を撮影し「水はすでに引いた」と報じた。また、唯一電気がついている住宅地を取り上げ、「電気は復旧し、市民生活は正常に戻った」と捏造報道を行った。これに不満を持つ市民は同テレビの取材車を取り囲み、破壊した。現場に駆けつけた警察車両も横転させられた。
現地公安当局は11日、公式ミニ・ブログ(微博)で、市民に冷静に対応するよう呼びかけた。