【大紀元日本9月17日】世界最大の水力発電ダム・三峡ダムは、中国の安全保障上でも「要衝」と位置づけられている。16日、国務院(内閣)が『長江三峡水利中枢の安全保障条例』を公布し、10月1日から施行されるという。これまでも香港メディアは三峡ダムの安全保障に特殊部隊が配備されたと報じている。
16日に発表された同条例は、三峡ダム及びその周辺地域を「陸域」「水域」「空域」という3つの区域に分割し、それぞれの安全保障を確保しながら、管理を一本化すると定めている。また行政上では中央、湖北省、宜昌市、三峡ダムと4段階の安全保障体制を整えるという。
香港誌・動向は8月、共産党中央軍事委員会は、約4600人の兵力を三峡ダムの安全保障に当たることを決定したと報じていた。地対空ミサイル4発、陸軍ヘリコプター大隊1隊、高速哨戒艇8隻、機動中隊24隊がその編成となっている。
三峡ダムの安全保障の強化について、香港紙・東方日報は、社会不満が高まるなか、ダム爆発で社会に報復することを当局は警戒していると分析した。ダムは場所によって「数十キロの爆発物で」大きな被害をもたらすことが可能だと専門家は指摘している。
ダムを決壊させることは、戦争や国内政治闘争でも切り札として使われる。中国著名な物理学者・銭偉長教授は1991年、三峡ダム建設の評価段階で、その危険性に言及している。三峡ダムの安全は直接的に下流の1500万人の命に関わるという。
中国では最近、社会に不満を持った人が爆発で報復する事件が増えている。一方、上層部では権力闘争の勢いも静まる気配はない。こういった中、指導部は今回、万一に備えダム安全保障の強化に踏み切ったとみられる。
(翻訳編集・張凛音)
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