【大紀元日本8月29日】中国広東省に新規に建設される予定の石炭火力発電所は、向こう40年間で約1万6000人が死に至る深刻な公害問題を引き起こすという。大気汚染に詳しい専門家がこのたび発表した新調査で明らかになった。
調査結果は同省に対して、広州、香港、マカオを結ぶ珠江河口のデルタ地帯に追加予定の22の発電所建設計画に疑問を投げかけた。同調査によると、デルタ地区にはすでに96の火力発電所があり、大気汚染が原因で2011年だけで、3600人が死亡、4000人の児童が喘息を引き起こしているという。新規発電所の半数はすでに建設途中である。
調査は米国民間の大気質調査コンサルタントであるアンドリュー・グレイ博士が環境団体グリーン・ピースから依頼を受けて行った。博士は、越境する汚染物質の計測と微小粒子状物質(PM2.5)がもたらす健康被害についての研究をしている。
グリーン・ピースで気候とエネルギー源担当主任の周嵘氏は「石炭火力発電所による害が蓄積して人の健康に与える結果に、ただ衝撃を受ける」とコメントを発表した。2009年、デルタ地区の行政は、今後は新規石炭火力発電所を建設しないとの方針を定めていた。しかし「年々高まるエネルギー需要に対応するため、当局はこの方針を無視した」と周氏は言う。
香港環境保護署も2007年以後、新規に石炭火力発電所を建設することを禁じており、削減する方針であることも固めていた。
予測された1万6000人の死亡例のうち、3分の2は脳卒中、残りは肺がんと心臓病。また新たに1万5000人の児童の喘息、1万9000人の慢性気管支炎の発症が見込まれる。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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