周永康元常務委員の側近また失脚、薄氏の容疑否認と関連か

2013/08/27
更新: 2013/08/27

【大紀元日本8月27日】薄煕来重慶市元トップの公判が結審した26日、中国監察省は中国石油天然ガス集団(CNPC)の王永春・副総経理を「重大な規律違反」の疑いで正式に調査していると発表した。一方、上海市警察当局はネット上でCNPCの女性幹部がハニートラップにはまったとのデマを流したとして容疑者の男を拘束した。CNPCをめぐる二つの事件について、専門家は共産党上層部の分裂を象徴するものだと分析した。

今年1月、インターネットで米アジレント・テクノロジー社はCNPC武漢のプロジェクトを受注するため、入札担当の女性処長、張氏に「ホスト」サービスを提供したとの情報が書き込まれた。

CNPCは薄被告の後ろ盾である周永康元政治局常務委員の牙城といわれている。大学で石油探査を専門に学んだ周氏は1988年にCNPCの副総裁に就任して以来、石油業界のドンとして君臨してきた。2002年の第16回党大会で公安畑に鞍替えしてからも同業界で絶大な影響力を持っている。

周氏は薄被告とともに江沢民一派の中心人物として目されている。薄被告が解任されてから、周氏の失脚は時間の問題とのうわさが絶えなかった。実際、習近平体制が発足して以来、周氏の腹心が次々と失脚した。2013年6月23日、長年にわたって周氏の秘書を務めた郭永祥四川省文学芸術界連合会)主席の双規(党紀律機関による幹部の拘束、取り調べ)処分が発表された。2012年12月、李春城四川省党委副書記(四川省の共産党ナンバー3)も双規処分を受けた。李氏も周氏の抜擢で出世を重ねて来た人物である。

相次ぐ側近の失脚は周氏と江沢民一派にとって大きな痛手となった。江沢民のお膝元である上海でCNPCに関するデマを流布した容疑者が逮捕されたのは、江沢民一派の勢力の健在をアピールする狙いがあるとみられる。

習近平主席は最高指導者に就任早々、「ハエも虎も一掃する」と腐敗取り締まりを宣言した。薄被告を失脚させ、公判をネット中継するなど、その最大の見せ場となった。しかし、共産党の崩壊につながりかねないとして、薄被告の「政変計画」と「臓器狩り」という二つの容疑には触れなかった。その思惑を逆手に取り、薄被告は公判で容疑を全面的に否認した。これについて、米在住の中国問題専門家・石蔵山氏は「薄被告の容疑否定は党中央への徹底抗戦を意味するもの」とみており、現体制とその背後の江沢民一派の闘争はさらにヒートアップすると分析した。

(翻訳編集・高遠)