【大紀元日本8月6日】「共産党の弾圧が正しければ、なぜこんな汚いことをするのか」。法輪功学習者への妨害を放任した香港警察官に向けて、ある女性が街頭でこう問いかけた。香港で8月4日、警察官に暴言を浴びせたとして女性を批判する集会が開かれたが、数千人の女性の支持者も参加し、現場付近は一時騒然となった。
事の発端は7月14日にインターネットに投稿された動画にある。「香港警官の忍術は一流」と題する動画に、ある女性が警官を罵倒する場面が収められている。ネット利用者は画像を手がかりに女性は小学校教諭の林慧思であると特定し、勤務校への抗議を呼びかけた。警察当局も「警察官に罵詈雑言を浴びせた」と林さんを非難する声明を発表した。苦情が殺到したため、林さんが勤務する小学校は謝罪した。
しかし、林さんが警察官を罵倒する前の動画がその後インターネットにアップされた。それによると、当日、香港の法輪功学習者が繁華街・旺角で、中国政府が生きた法輪功学習者から臓器を摘出・売買する臓器刈り事件をテーマとする看板を並べていた。親中団体の青年関愛協会(青関会)が大きな横断幕で法輪功側の看板を遮った。青関会の妨害を見て見ぬ振りする警察官を見て、通りかかった林さんは自身が法輪功学習者ではないと前置きしたうえ、「法輪功に言論の自由がある」「共産党こそ邪教だ」「香港市民への侮辱だ」「中国の公安のようだ」と警察の対応を非難した。憤りのあまりか、その後数々の暴言で警察官を罵倒した。
林さんの行動が話題となり、汚い言葉で警察官を罵ったのは教師失格だとの意見がある一方、多くの市民は原則にかかわる問題と比べ、言葉遣いへの非難は揚げ足を取るに過ぎないと擁護し、林さんを「香港の良心」「現代の女傑」と称えた。
4日の集会はそもそも政府寄りの団体が林さんを批判するために開いたもので、警察当局の放任ぶりに不満を持つ数千人の市民が「私たちも林先生だ!」などのプラカードを手に集会に参加した。教育家で民間団体「香港の自由を守る連盟」の代表者韓連山は「青関会は法輪功を徹底的に排除するため、その妨害は無法状態になっている」と青関会の横行ぶりを批判し、警察に中立な対応を求めた。
集会を取材した明報、東方日報など香港紙数社の記者は身元不詳者に襲撃され、けが人も出ている。
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