【大紀元日本6月13日】中国共産党機関紙の人民日報は13日、安倍政権の外交方針となる「価値観外交」を痛烈に批判した。
「典型的な『人格分裂』ー安倍政権の『価値観外交』の虚偽なベールをはがす」と題する同紙の論評は、安倍政権が歴史問題で示す軍国主義の価値観への「憧れと未練」は、彼が唱える、民主や人権などを価値として共有する国家との関係を強化する「価値観外交」とは矛盾していて、「典型的な人格分裂」であると強烈な言葉をならべて批判。「いわゆる価値観外交は世を欺き名誉をかすめ取るだけの政治茶番劇で、国際社会や民主、自由、人権へのこの上ない愚弄である」と追い打ちをかけた。
人民日報はときおり激しい論評を掲載するものの、これほどのものは珍しい。なぜこのタイミングでこの論評かは不明。米中首脳会談で尖閣問題についてオバマ大統領の「望ましい」言葉を引き出せなかったことへの鬱憤か、その直後に実施された離島奪還の日米合同訓練への不満か、安倍政権が展開する、中国包囲とも見られる活発な外交への苛立ちかは、論評ははっきりしていない。
罵倒に近いこの論評はポータルサイト・網易にも掲載されたが、ネットユーザーらには不評。「日本には良いイメージはなかったが、この文書を読んで反省している。自分が間違ったのか、それとも、人民日報があまりにも恥知らずなのか」「価値観外交とは、共通の価値観をもつ人が友達になれること。中国人はビザなしで行ける国が少ないわけだ」「毎回人を罵倒しているのを見ると、まるで自分のことを言っているようだ」「安倍に感謝。あなたがいるからこそ我々は民衆の目線を国内から逸らせるんだ」と皮肉なコメントが多数。中には、「党はこれで思想統一をはかりだしている。安倍さん気をつけてください。戦いになるかも」と警戒する声もあった。
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