【大紀元日本5月31日】人身売買が多発する中国。見知らぬ他人の子を誘拐し売り飛ばす事件がほとんどだが、今年1月、実の子供4人を売買したとして、四川省綿陽市近郊に在住する女性が起訴された。犯行に及んだ理由について、女性はこのほどメディアに「生活が苦しいから」と語ったという。中国各メディアが報じた。
「上流の人間は大金を注ぎ込んで娘を嫁に出す。中流の人間は金のあるところに娘を嫁がせる。下流の人間はわが子を売るしかない」
児童誘拐と人身売買の容疑で起訴されたのは杜秀蓉という女性。5歳のとき、病気で失明し、1990年、24歳で現在の夫と結婚した。翌年には長男、2000年に長女を出産。子供の成長にともない、生活が苦しくなったという女性は2005年に生後間もない次女を2500元(約4万円)で売り渡した。その後の7年間に相次ぎ生まれた3人の子をいずれも売買した。4人の子どもで合計1万元(約16万円)をもらったという。
しかし、彼女は「売ったのではなく、人にあげた。もらった金は栄養費だ」「養うだけの経済力があれば、絶対わが子を手放さない」と人身売買の容疑を否認している。
農業を営む女性の話によれば、昨年の年収は1千元(約1.6万円)にも満たなかったという。時々義父から経済援助を受けているが、食糧が底をつくのは日常茶飯事。一家にとって肉はめったに口に入らない贅沢品だ。
豪邸に住み、高級車を乗り回し、海外でブランド物を買いあさるなど、近頃増えつづける中国人の富裕層。しかし、実子を売買するまで窮地に追い込まれる貧困層。事件は、社会格差の拡大を浮き彫りにした。
現在、中国では人口の10%の富裕層が86.7%の富を占めていると言われている。人口の10%である「最も裕福の家庭」と10%の「最も貧しい家庭」の収入の差は65倍に上っているとの調査結果が出ている。
社会における所得分配の不平等さを測るジニ係数が、中国では0.5と国際的に警戒ラインとされる0.4を超えている。
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