中国本土と香港を結ぶ鉄道駅「上水駅」では、大きな段ボールの「戦利品」を持ちかえる中国人観光客が長蛇の列を作る(AFP)
【大紀元日本3月5日】「麻薬所持で逮捕される人がいるが、粉ミルク所持で逮捕される人を今まで見たことがない」
「有毒粉ミルクを作った悪徳業者は逮捕されていないが、良質の粉ミルクを買い求める人が牢屋に送り込まれている」
香港当局の法令改正で、個人で持ち出した粉ミルクの量が規定を超えたとして、初日から逮捕者が相次いだことを受け、人気作家の鄭淵潔氏ら有名人がミニ・ブログ(微博)でこうつぶやいた。
同法令では、1日から粉ミルクの輸出が禁止されたほか、個人としての持ち出しも通常の2缶分にあたる1.8キロまでと制限された。違反者には最大50万香港ドル(約600万円)の罰金と2年の禁錮刑が科せられる。初日からの2日間で45人が摘発された。
中国本土では2008年から、大手乳業メーカー数社の製品を含めて、乳児用粉ミルクから高濃度の有毒物質メラミン、水銀が相次ぎ検出され、乳児に健康被害が出ているなど粉ミルクの安全性に国民の不信感は根強い。
こうした状況の中、外国製粉ミルクの人気が急上昇。香港や台湾を中心に、スイス、ドイツ、オーストラリアまで、段ボールごと粉ミルクを買いあさる「運び屋」姿が目立っている。香港では品切れが続発し、市民から規制を求める声が上がっていた。
一方、現在開会中の第12期全国政治協会の呂新華・報道官は記者会見で、「中国産の粉ミルクは99%が合格」と発言し、波紋をよんだ。
国営中央テレビの司会者、同じく全国政治協会の崔永元委員は「その不合格の1%はどれなのか、知る術もない」と仲間を庇おうとしなかった。
インターネットでも、批判のコメントが寄せられている。
「全国で有毒粉ミルクが氾濫していた時でも、『合格、合格』ってばかり言っていたではないか」
「この言葉を発すること自体、わが政府の破廉恥ぶりを表している」
「99%の幹部が汚職していないのと同じように、誰も信じていない」
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