弾道ミサイル参加の中国軍事パレード、2009年10月(Getty Images)
【大紀元日本1月28日】中国国防部(省)は27日、地上配備型の弾道ミサイル迎撃システムの技術実験を国内で実施し、「所期目的を達成した」と発表した。中国はこれまで、この種の実験を公にしなかっただけに、日中関係をふくむ東アジアの地域情勢に暗雲が立ち込める今、発表に踏み切ったことが注目されている。
今回の実験について、国防部は「防御のためのもので、いかなる国も対象にしていない」と強調している。だが、尖閣諸島問題や南シナ海の領有権問題、北朝鮮の核実験危機が絡み合う敏感な時期での中国政府の公表は、「潜在敵国に力量を誇示している」と英BBC放送は、米国科学者連盟の中国軍事問題専門家ハンス・クリステンセン氏のコメントを引用して指摘した。
このような「誇示」はこの頃、頻繁に行われており、新型戦闘機やミサイル、戦闘艦の発表も相次いでいる。27日にも解放軍報は、国産200トン級軍用輸送機「運20」の試験飛行が成功したことを報じており、「国防の現代化建設、災害救助などに重大な意義を持つ」と強調した。中国のこういった動きに、日米、インドなどの「潜在敵国」は警戒視している。
米カーネギー国際平和財団で原子力政策を研究するロラ・サールマン氏は、自身の「中国の弾道ミサイル防衛の発展」という論文の中で、中国は米ロのミサイル防衛実験を批判する立場から、自ら研究開発する立場に変わったことに十分な注意が必要だと警告。米ロは今後、中国と対等にミサイル防衛システムの発展について協議を重ねるべきだと主張した。
この点について、ロシアは一歩リードしているようだ。今月9日、中ロ代表は北京で開かれた安全保障対話の席で、ミサイル防衛システムの研究開発をめぐって協力していく合意に達した(BBC)。ロシア連邦安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記はこれについて、「米国がアジア太平洋地域を含む世界範囲でミサイル防衛システムを配備していることに、我々は深く関心をもっている。我々のパートナー・中国も同様に関心をもっている」と米国との対立関係を強調した。
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