【大紀元日本8月22日】北朝鮮第一主席金正恩の叔父で、北朝鮮国防委員会副委員長の張成沢氏が数十人という大規模な代表団を率いて、13日から6日間の日程で訪中した。その目的は、合同開発プロジェクトの会議のほかに、巨額の借款要請にあるという。
北朝鮮の経済立て直しの推進役とみられる張氏は、北朝鮮東海岸の羅先と中朝国境にある黄金坪の2つの経済特区での共同開発計画の協議を中国側と行った。この協議が訪中目的と表向きには見られていたが、実際は、「北朝鮮の経済発展と改革のため」に中国側に約10億ドルの借款を要請することが真意だという。北京の消息筋が朝鮮日報に対して話で明らかになった。
現在、借款に応じるかどうかは中国は具体的な回答をしていないが、同紙は「両国は協議を進めている」と報じている。
埋まらない「底なし穴」に怒り
北朝鮮の無制限の資金援助の要求に対し不満を伝えた首相は温家宝氏が初めてではない。2002年に金正日が極秘訪中した時、金氏の側近が約30億元の規定外の援助リストを中共当局に渡したため、当時の首相朱鎔基氏は激怒し、面談を拒否したという。
多くのネットユーザーは、中共建政以来、毎年北朝鮮に援助を提することに対し、「この底なし穴を埋め尽くす事ができるのか? 長年に渡り数知れず援助し、得たものは何か? 失ったものは何か?」など不満や怒りをネットに書き込んだ。
「共産兄弟」相互利用
数少ない共産主義国のうち、中共は世界で唯一の北朝鮮の盟友と見なされ、また、最大の支援提供者だ。
専門家によると、中共建政以来、100万近い中国兵士を犠牲にしてまで参加し、いわゆる米国の侵略に抵抗し、北朝鮮を援助した朝鮮戦争、その上、数十年にまたがる援助、その目的は両国民の利益ではなく、為政者の独裁の維持だ。また、北朝鮮は中共から援助を受けると同時に、中共が国際社会を脅迫する外交カードにもなっている。