【大紀元日本3月16日】北朝鮮は去年1年間、韓国国籍を取得した脱北者15人を中国国内で拉致し、即処刑し、数人を政治犯収容所に投獄した。韓国在住の脱北者の団体「NK知識人連帯」は北朝鮮内部の情報筋の証言として伝えた。
それによると北朝鮮の新しい指導者の金正恩・総書記は近頃、脱北者について「その子孫三代を滅亡させる」との命令を出した。このような状況下において、中国政府は2月末に31人の脱北者を北朝鮮に強制送還した。
北朝鮮の内部事情に精通する1人の脱北者の証言によると、北朝鮮は中国から強制送還された脱北者をひどく拷問するほか、彼らを支援する韓国国籍の脱北者を割り出して、中国で拉致していると、韓国国際ラジオは14日に報じた。この情報提供者いわく、自分が把握しただけで3、4件の事案がある。
大多数の脱北者にとって、中国は北朝鮮から逃げ出す第一歩である。そこから、韓国や第三国への脱出を図る。韓国にたどり着いた脱北者の一部は韓国国籍を取得してから、中国に入り同胞の脱出を支援しようとする。韓国国民になったとしても、彼らにとっては依然として中国で拉致される危険性が伴う。
冒頭の「NK知識人連帯」によると、去年1年間、北朝鮮の諜報機関や国境警備隊に拉致されたこのような韓国籍脱北者は約15人、ほとんどは処刑されたり、政治犯収容所に監禁されたりしているという。
報道によると、北朝鮮政府による脱北者の逮捕を、中国政府は長期的に支持、協力している。韓国の国会議員・朴宣映氏の話では、北朝鮮の300人余の警察関係者は中国国内で長期に駐留しているが、脱北者を捕まえるためである。また、中国の公安当局が脱北者を逮捕して北朝鮮に直接強制送還する事例は数えられないほど多い。最近の統計では、処刑された人数は50数人。未確認された事案を含むと、その数は数100人に達する。
そのような中国政府の対応に抗議するため、朴宣映・議員はこのほど、韓国の中国大使館前でハンガー・ストライキーを9日間にわたり行い、最後には意識を失って病院に搬送された。
米国政府も今月3日、国連の人権理事会で脱北者強制送還の問題に憂慮を示した。米国議会が5日、中国政府の脱北者強制送還をテーマに公聴会を開いた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とアムネスティ・インターナショナルも、中国政府に脱北者の強制送還を中止するよう求めている。
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