生死不明の中国人権派弁護士、兄が請願するのも押し返される

2012/03/03
更新: 2012/03/03

【大紀元日本3月3日】中国の人権弁護士・高智晟氏の兄・高智義さんは中国司法部に嘆願し、最高指導部に対して、健康状況を含む高智晟氏の情報の公開、家族との面会などを要求した。

高智義さんは今回の請願のため、陝西省楡林県から1000キロ離れた北京に駆けつけた。しかしどの部門も受け付けずに、最後に、警察当局に強制的に押し返された。

 高智晟氏は2006年8月15日、中国政府に逮捕された。同年12月、「国家政権転覆の罪」で懲役刑3年、執行猶予5年付きの判決を受けた。2009年2月、当局は同氏を自宅から強制連行した。2010年4月、国際圧力の中、当局は同氏を釈放した。その間、同氏はAP通信の取材を受けて、監禁中に受けた残虐の拷問の実態を明らかにした。その直後から再び行方不明になり、現在に至っている。その期間中に、高智義さんが3度北京に訪れ、警察当局に弟の所在を問い続けたが、回答を得られなかった。

2012年1月1日、高智義さんは当局から、同氏は新彊ウイグル自治区の沙雅監獄に収監されており、3年間の懲役刑を服しているとの内容の通知書を受けた。10日後、高智義さんと氏の義父は同監獄に訪れて、同氏に面会しようとしたが、監獄側は同氏は家族に会いたくないなどの理由で会わせなかった。

中国の次期最高指導者・習近平氏が訪米直前に、高智晟氏の妻・耿和さんは米国議会で記者会見を開き、習近平氏がホワイトハウスに訪れた際には場外で抗議した。妻は、中国当局は夫について偽の公表を続けていると主張、夫の行方について回答を求めている。

米国在住の民主活動家・胡平氏は独紙ドイチェ・ヴェレの取材に対して、次のように指摘した。「中国当局は高智晟氏の一件で、法律を完全に無視している。多くの法律は悪質であるのに、その法律すら遵守しようとしない」「長い間、高弁護士の確からしい情報を得られていない。いま生きているかさえ知らない」と述べた。 

胡平氏は国際社会に対して、高智晟氏に持続的な関心を寄せるよう呼びかけた。「当局が対応するか否かに希望を抱いていない。しかし、国際社会の目は当局への一種の圧力となり、少なくとも家族への慰めになる」と述べた。

 (記者・古清兒、翻訳編集・叶子)