中国政府、米政府に機密資料の返却を求める=重慶亡命騒ぎ

2012/02/24
更新: 2012/02/24

【大紀元日本2月24日】重慶市の前公安局長王立軍(現副市長)が米総領事館に駆け込み、亡命を求めた事件で、党内の権力闘争にかかわる大量の機密資料が総領事館に渡ったとみられる。米ニュースサイトWashintonFreeBeaconは21日、ワシントンタイムズのコラムリストで調査報道記者のビル・ガーツの話として、中国政府が同資料の返却を米政府に求めていると伝えた。

米総領事館で一晩を過ごした王立軍が提出した資料の詳細は明らかにされていないが、政府高官の汚職状況、次期国家主席習近平の就任阻止をめぐる党内権力闘争にかかわる内容とみられている。また、米政府は機密資料の存在についてノーコメントとしている。

米政府のある情報筋は「王の運命は今、米政府にかかっている」と話し、機密資料が中国側に返却されれば、王にとって致命的な打撃になりかねないと見ている。

山東大学の元教授で、現体制を強く批判する反体制派として知られる孫文広氏は「資料は当然、複製されている」とし、それでも返却を求める中国側の意図を次のように分析した。

「王立軍事件の幕引きを図るため、そして王を有罪にするための証拠を探していると考えられる。一方、中央政治局常務委員会入りを目指す薄煕来・同市党委書記の失脚を狙う派閥が提出した資料から同書記の弱みを掴み、薄の後ろ盾を牽制する狙いがあるのではないか」

(翻訳編集:高遠)