【大紀元日本1月20日】米国駐中大使の駱家輝氏は最近、米国人気テレビ番組のなかで「中国の人権状況は悪化している」と述べた。これについて中国政府は「事実と異なっている」などと反論に出た。一方、中国の民主活動家たちは一連の人権被害実例を挙げて、中国政府からの圧力が一層強まっていると指摘している。
駱氏は中国系米国人3世、2011年には米国駐中大使に就任した。
駱氏は16日、米国の人気番組「チャーリー・ローズ・ショー」のなかで、「中東の民主化運動が発生してから、中国の人権状況が日増しに悪化している」と指摘し、「いまは谷間の時期であるかもしれない。状況は日々悪化している」と中国の人権問題に言及した。
駱氏は、「中国の最高指導者は、去年中東地区や北アフリカでの民主化運動の後、自国で同様な抗議が勃発するのを恐れている。そのため、政府と異なる意見や、政治的言論へのプレッシャーを強めている。有毒食品と薬品の被害者を支援する人権活動家と弁護士もその対象になっている」と述べた。
それに対して、中国外交部の劉為民報道官は翌日の定例記者会見で、駱米国大使の非難は「事実と異なる」と反論、中国政府は人権保護を重視していると強調した。
中国では民主・人権活動家がよく「国家転覆罪」で投獄されている。それについて、同報道官は、「一部の公民は法律の制裁を受けているのは、中国は言論・宗教の自由を圧制しているのではなく、これらの人は中国の法律に違反したため懲罰を受けている。人権問題とはまったく関係ない」と切り捨てた。
また同報道官は、「いわゆる人権問題を利用して、司法の主権をも含めて中国の内政を干渉するのを反対する」とも述べた。
最新の弾圧事例
当局に取締られている中国民主党、最近、その創始者の1人である朱虞夫氏は、当局を批評する詩を発表したため、監禁された。民主・人権活動家の陳偉氏と陳西氏はインターネット上で、中国政府に「政権を転覆を目論む」とされる文章を掲載したため、それぞれ9年と10年の懲役刑を処された。
中国で著名な民主活動家・黄_qii_氏は、中東の民主化運動の影響を受けて、中国国内の人権運動も一層活発化し、大規模な集団抗議事件は過去半年間で数倍も増えたと述べ、中国政府は厳しく打圧しているだが、国際社会の圧力と関心が高まるとき、その状況は緩和したりすると指摘した。
浙江省在住の人権活動家・昝愛宗氏はVOAの取材で、「中国ではインターネットと携帯電話の普及により、国民の情報取得と見解表現の自由が改善された。しかしながら、当局による異議者への言論圧制も数年前により一層厳しくなっている」と述べた。
同氏は自分の実体験を明かした。「(北京五輪の)2008年以降、国内外のサイトで文章を掲載すると、すぐに目をつけられてしまう。発表される度に、取り調べを受ける」と同氏は話し、「国家政権転覆罪」で11年間服役した中国民主党の創始者である呉義龍氏も釈放された後、このような処遇に遭っているという。
この大陸の状況に耐えられなくなり、国外に脱出した活動家は何人もいる。最近では、長年に渡り国内で筆を取っていた作家の余傑氏は家族を連れて米国へ移り住んだ。
旧正月の前、黄_qii_氏はVOAの取材に対して心情を綴った。「人権を守ろうと戦っている人々の状況は非常に深刻だ。訴えは一向に聞き入れられることなく、多くの人々は刑務所に投獄されている。家族団欒のこの時期に、現状を思うととても辛い」