「自由のない繁栄は一種の貧困」 オバマ大統領、中国の人権問題を批判 

2011/11/21
更新: 2011/11/21

【大紀元日本11月21日】 豪州訪問中の米国オバマ大統領は17日、豪州国会の衆参両院特別会議で演説した。米国はアジア太平洋地域での影響力を強化すると強調したほか、中国政府の人権、貿易、地域安全などの問題点を批判し、同地域における米国の立場と方向性を示した。

オバマ大統領の演説では、ルールのある国際秩序システムを構築すべきだという、明確なメッセージが発信された。すべての加盟国は、先進国、発展途上国を問わず、このルールを遵守すべきだ。さもなければ、世界は混乱に陥ると大統領は強調した。

演説の後半で、オバマ大統領は人間の尊厳、人権の重要性を強調。米国は全力を挙げて普遍的な価値である人権を守っていくと力説。中国政府について、人権侵害や自由貿易問題、知的財産権の侵害、人民元の為替操作、国民への自由制限などを非難した。

同大統領は、中国の社会安定と経済の繁栄は、米国と豪州両国にとっても有益であると述べ、中国との連携を一層強化し、特に軍の交流を改善させ、互いの理解を深め、できるだけ誤解を避けるべきであると示した。

「同時に、我々は今後も中国政府に対して、国際ルールの遵守や、中国国民の基本的人権の尊重を求めていく」と同大統領は述べ、「自由のない繁栄は一種の貧困に過ぎない」「歴史の流れは波乱万丈だが、必ず決まった方向に向かう」「歴史は自由の見方である」などのメッセージを伝えていった。

また、同大統領は、「各国にはそれぞれのスタンスがあるが、権利の一部は人類共通である。例えば、言論の自由、出版の自由、集会の自由、宗教の自由、国民が国の指導者を選べる自由。(中略)これらは皆人間の持つべき権利だ」と述べ、国家間の協力関係の根本であることを強調した。

ファシズムや共産主義、独裁主義の政治体制が必ず失敗することは既に実証済みであると同大統領は指摘し、「原因は、権力体制と合法性の根幹には人民の意志があることを、権力者たちが無視したため」と語った。

今回の演説の前日には、オバマ大統領とギラード首相が、米軍の豪州での軍事力配置の増強計画を公表している。

また、演説でオバマ大統領は、中東とアフガン戦争が終結に向かうにつれて、「我々が築くべき未来が構築されている」と述べた。

 (翻訳編集・叶子)