【大紀元日本8月19日】行方が分からなくなっている著名な人権派弁護士・高智晟氏の5年間の執行猶予期間が今月14日に満了したが、高氏の消息は依然、つかめないままだ。米国務省のヌランド報道官は17日、再び同氏の釈放を要求し、本案の情報開示と行方不明に至る経緯を説明するよう、中国政府に要求した。
ヌランド報道官は、17日から中国を訪問するバイデン副大統領が当局側へ国内の人権問題を提起する、と述べた。
同報道官は、米側は再三にわたって、高弁護士の行方と現状への関心を中国政府に示したと述べ、獄中で拷問を受けていたとの報道についても、米国は事態を注意深く見守っている、と話した。
米国議会の専門家チーム「米国国宗教自由委員会」は最近、バイデン副大統領に書簡を送り、訪中の際に宗教自由の問題および消息不明の高弁護士の問題を中国当局へ提起するよう求めた。
2009年3月、2人の子を連れて米国へ脱出し、難民として保護されている高智晟氏の妻・耿和さんも、バイデン米副大統領に、夫の所在の確認を中国政府に提起してほしいと要請した。
欧州議会のブゼク議長は15日に声明文を発表、中国政府に対して、高智晟氏の釈放を要求した。声明は、中国政府とのやり方はとても受け入れられないとし、「最悪の状況を憂慮している」と述べた。
高智晟氏は中国で著名な弁護士である。2004年から、中国政府による法輪功弾圧の実態調査に乗り出し、2006年には、「国家政権転覆罪」で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。以来、同氏への監禁が繰り返され、常に警察当局の監視下に置かれていた。最後に公の場に姿を見せたのは2010年4月、山東省に帰省したときだった。
この一年間、兄の高智義さんは何度も北京市公安局に弟の所在を確認したが、「知らない」「迷子になって戻ってこない」などの説明しか得られていないという。
有罪判決を受けた後の2008年と2010年には、高氏は2度にわたりノーベル平和賞の候補者となった。