【大紀元日本8月18日】豚肉価格の高騰を受け、中国福建省アモイ市では、市当局が備蓄している豚肉の放出を始めた。備蓄肉は市内5カ所で割安価格で販売され、購入は1人あたり5キロまで。2キロ以上購入する場合は、身分証明書の提示が要求される。
15日の新京報によると、備蓄肉の販売は同日に始まり、少なくとも10月末まで続く予定。アモイ市が備蓄している豚肉は計1750トンで、今回の放出で毎日4~5トン販売される試算となっている。一方、アモイ市豚肉市場の毎日の消費量は200トンである。
備蓄肉は、市販の冷凍肉の卸価格より1割安、小売価格より15%安い。一方、同市の豚肉市場の9割以上を占める生鮮豚肉の価格と比べると、備蓄肉は4分の3以下。スペアリブの場合は、生鮮品1キロあたり46元(約550円)に対して、備蓄品は22.4元(約270円)で、半値以下だ。
アモイ市当局によれば、備蓄肉の放出は豚肉の高騰が「低所得者と学生」に与えた影響を緩和し、豚肉の市販価格を「適度に抑える」ことを目的としている。「10月末の時点でまだ豚肉の高騰が続いている場合、備蓄肉の販売が延期される可能性がある」と市当局者は話す。備蓄肉の販売が始まる前に、アモイ市は、備蓄米や低価格野菜も市場に放出していた。
中国では、7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は6.5%、そのうち食品価格の上昇は14.8%に上る。特に豚肉の価格上昇は著しく、前年同期比で56.7%の上昇。在米の中国経済専門家・程暁農氏は、2%の高所得者を除き、98%の中国人にとって食品価格の上昇が生活を直撃していると指摘する。「彼らの食品支出は収入の4割から5割を占めるので、インフレによる打撃は深刻だ」という。
ネットユーザーらは今回のアモイ市の措置に対し、「2キロの肉を買うのに身分証明書か。これはどういう市場経済なのか」「30年前に逆戻りだ」と嘆き、ハンドルネーム「天津大臉猫」のユーザーは、「備蓄肉の投入はただ、一般の豚肉の販売を遅らせ、さらなる高騰を先延ばししただけ」と書き込んでいる。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。