<赤龍解体記>(27) 胡錦涛も共産主義を信じているとは限らない

2011/08/15
更新: 2011/08/15

中国の著名経済学者で、天則経済研究所理事長の茅于軾氏が、7月30日に行われた地方政治と国家のモデルチェンジというシンポジウムで講演を行い、民主、法制、平等、自由などが世界の普遍的価値観であり、当今の世界的潮流であると強調し、中国人で共産主義を求める人はいないし、胡錦涛さえも共産主義を信じているとは限らないと思うと指摘している。

 このシンポジウムは北京で行われ、中国社会の発展を代表すると言われる広東モデルと重慶モデルについて検討していた。大胆な発言で多大な支持を得る一方でしばしば極左勢力から脅かされてもいる茅于軾氏が今回も、容赦なく鋭い演説を行った。

 昔は、共産主義は世界の普遍的価値があり、全人類が共産主義に入るべきだと見なされていたが、七、八十年の実験により、共産主義は失敗したのだ。公有制や経済計画がだめになったし、ほとんどの国も共産主義を放棄した。したがって、今の中国は共産党支配下にあるにもかかわらず、もはや共産主義を求める人はいないのである。言及したことはないが、胡錦涛も共産主義を信じているとは限らず、彼が信ずるのはやはり現代社会の制度であろう。

 中共が政権を手にして以来、あらゆる政策や制度も人類の共通的価値観と基本的道徳に背いたものであり、寛容や同情がない代わりに、国民を残酷に禍害するプロレタリア独裁を行っていたのである。

 経済学者として、彼は次のように世界のことを見ている。人類にとって、必ずや市場経済から規制されている。50年来、市場経済が確立されたため、資源配給などの問題が解決され、どの国も昔のように戦争によらなくてもグロバール化した市場において所要の物質を得られるのである。したがって、国家の指導者が狂気し、政治を以って市場を干渉したり破壊したりすることを除けば、資源を奪うための戦争は二度と起こらないに違いない。

 資源を奪うための戦争はなくなるが、普遍的価値観の衝突による戦争はなお存在するのである。したがって、中国が将来どの道を歩み、世界の普遍的価値観と衝突しないようするか、よく検討しなければならない。

 胡錦涛が共産主義を信じるかどうかについて、現段階では断定しかねるが、共産主義とりわけ中共の危機感を恐る恐る抱えている胡錦涛にとって、共産主義と普遍的価値観の中で選ばざるを得ないジレンマに陥っている。

 彼にとって、時限爆弾が自分の任期中に爆発しないようにすることが最大の任務とされているようであるが、時勢は彼の計算を許さない。それどころか、今や1億人の中国人が中共とその関連組織から離脱したことで、時勢は急転直下になり、中国の国内情勢はますます挽回不能の方向へ向かっている。

 豪州在住の中国人法学者で、中国革命連邦党主席の袁紅氷氏が8月7日にシドニーで行われた「1億人の中国人の中共離脱を応援する」集会で演説を行った。氏の情報によると、中共は今、1億人の中国人が中共とその関連組織から離脱すると宣言したことをきわめて恐れ、指導部は先日、中共組織部の官員を招集し、例の中共離脱運動がわが党に影響を与えないよう、特別に警戒するよう、指示したという。

 袁氏は次のように断言している。中国の国民はまもなく中共の独裁に反対する国民蜂起を起こし、そして世界の普遍的価値観に背き人類に多大な破壊をもたらしてきた中共は間もなく解体してしまう。