米中軍のトップが会談 南シナ海領有権問題など議論

2011/07/14
更新: 2011/07/14

【大紀元日本7月14日】米中両国の軍のトップがこのほど、北京で会談を行った。双方は領有権紛争のある南シナ海問題や、その他の争議のある問題について話し合いを行った。

11日午前、中国軍の陳炳徳・総参謀長と米軍のトップ、マイケル・マレン統合参謀本部議長が会談。米中両国の軍の関係や、台湾への武器輸出問題、南シナ海の領有権問題、中国の軍事力発展などについて議論した。会談終了後、共同記者会見が開かれた。

台湾への武器輸出問題や、中国からのサイバー攻撃への調査、南シナ海の緊張情勢などにより、両国の関係がいま冷え込んでいる。米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、「記者会見での双方の発言から、双方の緊張関係が依然として続いているのは明らかだ」と報じた。

記者会見で陳炳徳・総参謀長は、最近米軍がベトナム、フィリピン、南シナ海で共同軍事演習を行ったことについて、同海域の領有権をめぐる対立が激化しているこの時期に、これは極めて不適切だと述べた。

マレン統合参謀本部議長はそれに対して、アジア太平洋地区における米国と同盟国の共同軍事演習は数十年来の慣例であると主張、「我々はこれからも続けていく」と述べた。

また、中国近海での米国偵察機の飛行について、陳総参謀長が、米偵察機は中国国境線から25キロの地域に進入していると主張したのに対し、マレン統合参謀本部議長は、その飛行活動は国際基準に従っており、これからも続けるとの考えを示した。

一方、米上院は6月28日に議案を可決し、中国は南シナ海問題において「(ベトナムとフィリピンの船に対して)武力的な行為があった」と非難し、関連諸国による平和的な対話を呼びかけた。それに対して、中国外交部の報道官は「事実と異なる無責任な言論を発して、南シナ海の問題を拡大させ複雑化させようとしている」と強く反発していた。

マレン統合参謀本部議長は9日北京入りした際に、地域および全世界において重要な役割を担う両国は、互いの誤解による障害を排除すべきだと発言したが、多くの議題については平行線のままのもよう。

中国国営新華社によると、今回の会談で双方はインターネットのセキュリティ問題や、中国の軍事力の発展、米国政界の中国への見方などについても、意見交換を行った。 陳総参謀長は、双方は多くの共同認識に達したが、一部の議題については意見が異なっていると述べた。

4日間の訪問期間中に、マレン統合参謀本部議長はまた、人民解放軍の陸海空軍と戦略ミサイル部隊「第2砲兵」を訪れた。 

(翻訳編集・叶子)