【大紀元日本7月14日】北朝鮮当局が、大学生たちを金日成生誕100周年記念の関連施設建設プロジェクトに参加させるため、国内の数カ所の大学を封鎖、あるいは授業を停止させていたことが明らかになった。米国国営ラジオ・フリー・アジア(RFA)が同国内外の情報を確認し、今月1日に伝えた。
消息筋によると、その建設プロジェクトには、首都・平壌(ピョンヤン)に10万世帯分の家屋と105階建ての超高層ビル「柳京ホテル」の完成が含まれているという。
中国北京で得た匿名希望者の情報によると、北朝鮮の大学に通っていた中国人留学生は、ある日突然、学校が誰もいない「カラ」の状態になり、暫くその状態が続いたため、やむなく中国へ帰国したという。「学生たちが建設現場に動員されたので、学校が封鎖されてしまったようだ」と学生は情報筋に話した。
「学校封鎖の事実は、北朝鮮に残る中国人留学生からも確認がとれている」と匿名希望者は話した。
また、6月中旬に北朝鮮訪問ツアーに参加した米国人によると、平壌にある金日成大学と平壌理工科大学は異様に静かであったという。「2つの大学への訪問はツアープランの一部だったが、大学は空っぽだった。学生一人、そこにはいなかった」とその米国人は話した。消えた学生たちの消息について、当局からの説明はなかったという。
金日成生誕100周年記念のため なくなった授業
学生たちが、金日成生誕100周年記念に関連するプロジェクトに参加が可能になるよう、当局は大学の授業を一部中止させていることも明らかになった。
中国国境近くで得た情報によると、学生達は建設現場、あるいはその周辺地域で働いているという。家屋10万戸を建設するには資材と電力が明らかに不足しているが、当局は計画は来年4月に完成する、と発表している。
当局が予定通りのプロジェクト完成を希望するならば、高さ330メートルの「柳京ホテル」の建設にはより多くの大学生に労働の援助を要求するだろう、と消息筋は話した。
国家的な大型プロジェクトを行う際、北朝鮮当局はたびたび大学生を一時的な労働力にしている。
1989年、北朝鮮が主催した「第13回世界青年学生祭典」の準備に、国内の大学生が6カ月間、関連事業への労働を強要された。ある脱北者はRFAに対して、平壌の大学に通う学生だった当時、平壌と南浦を結ぶ高速道路の建設現場に学生達を参加させるため、大学は授業を中止した、と話した。
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