【大紀元日本6月13日】5月に記録的な干ばつがつづいた中国の中部地区で9日夜から10日にかけて、豪雨による土石流や洪水が発生し、湖南省と湖北省で計43人の死亡が確認され、一部地区では甚大な被害が報じられている。
湖南省岳陽市は18人死亡
9日午後8時から10日午後8時まで、湖南省の中部および北部、西部地区で強い雨が発生。8県市が大雨、3県市が豪雨となった。同省当局によると大雨となったのは主に岳陽、懐化、娄(ろう)底、益陽、張家界。また、岳陽市の一部地区では一時間の降水量が270ミリ以上の豪雨が発生した。国内紙・新京報が伝えた。
岳陽市の一部地区では土石流が発生し、現在までに18人が死亡、28人が行方不明となっている。同市相思郷の李さんによると、田畑は押し流され倒壊した家屋も多い。洪水が起きた時におぼれ死んだ人も数人いる。多くの電柱や橋も倒れたという。さらに、土石流により倒壊した家屋はすべて山側の家屋であり、2人が家屋の下敷きになり死亡したと話している。
岳陽市の2村は特大土石流により埋没
今回の災害で最も深刻な被害を受けた岳陽市の臨湘市_zhan_(せん)橋鎮では降水量が301ミリに達し、地滑りが特大土石流に変わった。付近の村民によると、山から流れてきた土石流はふもとの2村をほぼ覆い尽くしたという。
10日の昼ごろから次々と遺体が掘り出され、鎮政府前の氷の棺に安置された。ある少女はその場に声もなく立っている。彼女が学校で授業を受けている間に村の家族がみんな死んでしまったのだ。午後からテントが張られ、紙銭を燃やし弔いを始める人も出てきた。鎮の衛生所医師が消毒剤を撒いている。
鉱山から出た廃砂の山が土石流の主原因か
今回の土石流は、大雨だけでなく、山に積まれた鉱山の廃砂も原因だと現地村民の李さんは話す。土石流発生当時、山には鉱山企業の廃砂が大量に積まれていた。
「利用価値のない廃砂は『時限爆弾』のように山にどんどん積まれて行った」。これらの廃砂は民家から100メートルほどしか離れていないところもあったという。
湖北省で25人死亡
同じ雨が湖北省でも甚大な被害を引き起こしている。湖北省咸寧市では300ミリの豪雨があり、洪水などで25人の死亡が確認され、12人が行方不明となっている。100人以上がけがをし、被災者は数十万人に上るという。地元メディア・大楚網が報じた。
このほか国家防汛抗旱指揮部からの情報によると、11日までの統計では増水期に入って以来、13の省で洪水による災害が発生している。農作物の被害面積は46万ヘクタール、848万人が被害を受け、94人が死亡、78人が行方不明となっている。倒壊した家屋は2.71万軒、直接経済損失は74.45憶元に上っている。
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