【大紀元日本5月18日】米ナスダックでの上場が廃止となった中国企業・新華財経有限公司の米国支社の元経営陣3人がこのほど、米国内で詐欺の容疑で起訴された。同社の創業者の1人、フレッディ・ブッシュ元CEOが含まれている。米国経済界の有名人複数が本案に関連しているため、米国証券業界に衝撃を与えている。
同社は、インデックス・格付・金融ニュース配信・IR/PRなどの金融関連情報とサービスを提供している。日本支社(新華ファイナンスジャパン株式会社)は2000年に設立され、東証マザーズに上場している。
2010年、同米国支社に不正融資の疑惑が浮上し、後に米ナスダック市場での同社株価が急落を続け、最高値から99%の下落を記録した。2011年3月、株価が長期にわたり1ドルに満たないため、ナスダックでの上場が廃止となった。一方、東証マザーズに上場している同日本支社の株価は、2005年の14万円から現在の千円台に下落している。
米大陪審は最近、ワシントンの連邦地方裁判所に本案に関する起訴状を提出。同米国支社のブッシュ元CEOと元理事2人が結託して、同社株のインサイダー取引や裏取引などを行い、不正利益5千万ドルを得ていた、という内容のもの。米検察当局は現在、この不正利益の強制押収に着手している。
ブッシュ元CEOの親友で、ウォール街でも有名な投資ファンドの運営責任者リン・ティルトン(Lynn Tilton)氏は本案で巨額の損失を蒙った。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、同氏は2004年から、個人名義で「新華財経有限公司」の数千万ドルの株を保有した。また、同米国支社に5千万ドルを貸し出した。同氏は、「最初から全て罠だった」と嘆き、自分は公私ともにこの企業に絶大な友情と信頼を託したが、徹底的に裏切られたと語り、どんなに優秀な投資家でも、財政状況を粉飾する中国企業に騙される可能性があると述べた。
米マーケットウォッチのフィナンシャル情報サービスの創始者クラーマー(Larry Kramer)氏も、ブッシュ元CEO周辺の1人だった。同氏は2007年から、同米国支社の理事を務めていた。ちょうど同社の内部管理に対して、外部の厳しい目が向けられ始めた時期だった。クラーマー氏は、元経営陣らの背任事実をまったく知らなかったとし、自分はただ広告塔として利用されただけであり、責任は中国の親会社にあると強調した。
今回のもう一人の被害者は、米国の小売業界の重鎮である億万長者ロン・バーケル(Ron Burkle)氏である。報道によると、氏はあわせて5570万ドルで同社の株を購入したが、回収の見込みがほぼないという。一方、同氏とその関係者はまだ本案に関してコメントを出していない。
被告人らの弁護団は先週、声明文を発表し、ブッシュ元CEOの行為は「合法的なビジネス取引である」とし、同起訴状が示している根拠は実質上、「中国と日本における(同社の)法務と会計決定」に対する「米国刑法の前例のない不適切な適用である」と反論した。
一方、中国の親会社・新華財経有限公司は元経営陣らへの起訴についてコメントしていない。以前公表した関連の声明文では、本案の被告人らはすでに同社に在籍していないとし、同社およびその他の会社関係者は調査を受けていない、と主張した。
専門家は、本案のみならず、中国の上場企業の不透明な財務状況は投資家にとって大きな落とし穴である、と警鐘を鳴らしている。
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