内部告発サイト「ウィキリークス」が4月27日に公開した外交公電によると、これまでの豪中人権対話にほとんど実質的な進展はなく、また対話のなかで中国当局は「法輪功への弾圧は断固として継続する」と明言していたという。
同公電によると、豪中間で人権対話を行う時に、中国側は常に指摘される人権侵害を否定し、豪政府が懸念する人権問題に対して、いつも実質の内容を伴わない言い回しでごまかす上、逆にオーストラリアの人権状況改善を迫るなどして対話を中断させたという。
2009年の豪中人権対話の際、中国側は、オーストラリアのチベット問題の団体の参加を拒否し、さらに、チベット問題を強引に人権対話の話題から外した。また、オーストラリア政府が中国の死刑乱用への批判についても強硬に否定し、法輪功への弾圧も「断固として継続する」と言い放った。
ジェフ・レイビー駐中豪大使は、豪中の人権対話は1998年までの「激しく叫び合う」状況からは改善されていると話した。しかし一方でチベット問題にいったん言及されると、中国側はいつも「辛辣かつ乱暴に」人権侵害を否定し、表面上は友好的に調整されたはずの雰囲気さえ一変してしまう、とレイビー大使は明らかにした。
さらに公電では、人権対話で中国側が取っている常套手段についても分析されている。まず、中国外交部の何亜非・副部長やほかの幹部は毎回のように、「あなたたちは中国を分かっていない」とオーストラリア側に対して一方的に述べ、「情報が不正確だ」と確認を拒否する。次に、長時間にわたる空論をもって時間をつぶすという。
中国は人権対話において、逆にオーストラリアの人権問題を質すことで、多くの時間を費やしているとの実態も、公電では明らかにされている。
(翻訳編集・余靜)
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