【大紀元日本2月23日】中国の電子商取引最大手のアリババ・ドット・コムは21日、昨年1年間に同社が運営するサイトに登録されていた1107社の物品販売企業の利用を取り消した、と発表した。理由は、サイト上の不正取引で顧客に損害を与え、苦情が相次いだためだ。同社の最高経営責任者(CEO)の衛哲氏と最高執行責任者(COO)の李旭暉氏は責任を取って同日に辞任し、100人近い従業員が今後、懲戒・免職される。中国国内メディア各社が報じた。
22日付けの広州日報によると、同サイトにおける不正取引は2009年にも発覚しており、全登録数の1.1%を占める1219軒の販売業者が摘発された。今回発覚した1107軒は登録数の0.8%にあたり、現在、これらの企業の商品紹介ページはすべて閉鎖されている。取引詐欺事件については司法機関にも報告しているという。
今回の社内調査で、アリババの従業員が自身の実績と収入をアップさせるため、詐欺の疑いのある企業に対しての調査を、故意または怠慢により、おろそかにしていたことが明らかになった。同社は、100人近い従業員を会社の就業規則に則り懲戒・免職処分すると発表した。
詐欺の手法について、同報道は福建省メディアがあげた事例を紹介した。大豆油を緊急に輸入したい韓国の登録ユーザーの権さんは、2009年7月18日にアリババで供給先を見つけ、取引条件などを含めて1週間後に商品が引き渡されるという契約をまとめた。権さんは引き渡し前日に求められた保証金1万元(約13万円)を相手の口座に振り込んだが、当日、約束場所に相手が現れることはなかった。連絡も取れなくなり、サイト上の情報も削除されていることから、権さんは騙されたことに気付いたという。
2009年頃から発覚している多くの取引詐欺は、アリババの信用性にダメージを与えかねない、と国内サイト・網易は指摘する。相次ぐ不正でアリババの登録審査の怠りが浮き彫りになり、公正な取引を行いたいユーザーの「アリババ離れ」を引き起こす可能性があると分析した。
一方で、今回のような中国企業が自社の不正を公にすることは中国では異例であり、アリババの信頼度を築く上では役に立つという見方もある。
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