【大紀元日本2月15日】広場に集まった民衆の反政府運動が、18日間を経て、30年継続した独裁体制に終止符を打った。 エジプトは、社会体制や状況において、独裁体制の中国と多くの類似点があった。今回のエジプト革命は、中国に何を示唆しているのか。22年前の天安門民主運動の学生リーダーで、現在は米国に在住して民主化活動を続ける封従徳(フェン ゾンデ)氏は、体制外の民衆の変革要求が独裁体制を終わらせるカギであると見解している。同氏は、天安門運動後、中国国内の民主運動の主流が脇道に入ってしまい、口頭の討論や共産党体制内に変革を求めることに留まっていると批判した。
1989年の天安門民衆運動と今回のエジプト反政府運動は多くの点で類似していると同氏は感銘しているという。両者とも軍隊と民衆が友好な関係を持ち、平和的に対処する段階があった。エジプトの軍隊が政府の鎮圧の指示を受けず中立の立場を取ったのに対して、中国共産党の軍隊は学生や市民に銃を向けた。
エジプト運動で民衆が勝った大きな要因の一つは、独裁への恐怖感を乗り越えて人々が街に出たことだ。六四事件も同様に、学生や北京市民は勇敢だったが、共産党政権の頑さや残酷さに負けてしまったという。
封氏はまた、天安門事件後、中国国内の民主運動が脇道に入ってしまったことを指摘した。民主運動の主流が口頭での討論や批判のみに留まり、共産党体制内から民主化をはかる力量の誕生を期待しており、「敵はない」「非暴力」などを主張しながら当局との抗争を避けている。一方、当局の信仰や人権弾圧に対して被害者の権利を代弁し、糾弾するなどの実践的な行動を取っていた人権弁護士高智晟が、民主運動の主流に譴責され、排除されていると、封氏が批判した。
「言論はもちろん重要だが、言論の目的は啓発することにある。現在中国の工場労働者や農民たちはすでに目覚ざめており、自分の土地や権益を守るために既に委員会などの設立が進められている。中国が現在必要としているのは行動だ。エジプト民衆のような行動を組織することだ」という。
しかし、同氏は、中国国内の民主化運動の主流が、いまだに天安門の民主化運動は極端に走ったと主張していることを指摘。「このような民主運動家や支持者は、共産党のスパイでなくても、実際、共産党政権が望んだ役割を果たしてしまった。彼らが中国の民主化運動を脇道に導いてしまった」という。
今年は清王朝を踏み倒し、共和国を設立した辛亥革命の百周年目にあたる。孫文氏がリードした革命とエジプト革命との共通点は、民衆からスタートした変革が政治の変革を促進させたことにある。中国の民主運動を成功させるカギも、体制内からではなく、民衆から発生した運動にあると同氏は考察する。
一方、天安門事件前に米国に亡命した中国人ジャーナリスト・曹長青氏も、エジプト民主運動の勝利は中国人に大きな意味を持つと話している。「今までのような、我々には敵がない、平和であるべき、などの論調から早く脱して、エジプト人民の行動を見習い、早急に独裁専制を終わらせる行動を取るべきだ。民主化の必要性、自由の必要性 ―
エジプト革命が中国の反体制者リーダーを始めとする中国人に伝えたもっとも明確なメッセージであろう」と同氏は指摘する。
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