【大紀元日本2月4日】昨年、有毒粉ミルクの問題が再び中国で発覚したこともあり、乳幼児をもつ中国全土の親たちは国産粉ミルクに対して、ますます強い不信感を抱いている。経済的に余裕のある親は、香港へ出て、高価でも安全な外国産粉ミルクをまとめて購入する。また、この機に乗じようとする中国内地のバイヤーが、外国産粉ミルクの大量買い付けに香港へ殺到。そのため香港で粉ミルクが品薄になる事態が発生している。
2008年に発生した三鹿有毒粉ミルク事件では、中国国内だけで30万人近い児童が健康被害を受け、うち少なくとも6人の乳幼児が死亡している。中国国務院食品安全委員会による今年1月中旬の発表では、2010年12月31日までに中国各地で問題となった有毒粉ミルクは2131,87トンで、その全てが2008年に発覚した有毒粉ミルク、またはその粉ミルクを原料にしたものだという。
我が子の命を守るため、価格よりも安全な品質を重視する親たちは、香港へ出て、外国産粉ミルクの入手に奔走している。一方、この機に乗じて、外国産粉ミルクを香港で大量に買い付け、中国内地に運んで高値で売る投機的商人「水貨客」も出現した。
その結果、香港で粉ミルクが極端な品薄になる事態が発生。ドイツのラジオ局ドイチェ・ヴェレの中国語サイトによると、香港で薬局を営むアラン・クォークさんは、「100缶の粉ミルクも2日か3日で全て売り切れる」と話す。
香港の親たちはネット上で請願書を発表し、香港政府に対して、中国内地から香港へ来て粉ミルクを買う者に「粉ミルク税」を課すように求めた。ある親は、粉ミルクが入手できないため、代用のお粥やうどんを子供に与えていると怒りを顕わにした。
このような状況を受けて、香港の粉ミルク市場の約50%を占めるミード・ジョンソン・ニュートリション社はこのほど、香港政府の協力の下、2週間以内に42万缶の粉ミルクを供給するという緊急策を打ち出した。同社は、すでに香港の会員のためにホットラインを設け、優先的に粉ミルクの販売を行っていることを示すとともに、小売業者、消費者団体および香港政府と協力して問題解決に取り組むという。
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