【大紀元日本1月10日】中国訪問の途についた米国ゲーツ国防長官は9日夜、中国のステルス戦闘機の開発は米国情報機関の予想より早いと述べ、最近オバマ政権に提出した国防予算案に、中国の軍事力の発展をけん制する項目が盛り込まれているなどと説明した。米VOAが報じた。
長官は9日にアジア訪問をスタートさせ、中国には4日間滞在し、胡錦濤・国家主席や、習近平・国家副主席、梁光烈・国防部長などと会談する予定。
長官は、以前から中国の軍事力の増強に関心を持ち続けているとし、米国情報機関による中国の国防能力に関する予測が甘かったことを指摘した。レーダーに捕捉されにくいステルス戦闘機や空母を破壊する能力を持つ対艦弾道ミサイルの開発に、同長官は警戒感を示すと同時に、ステルス機の技術性や、米太平洋司令官の「中国はすでに対艦弾道ミサイルを実導入した」などの見方に疑問を投げかけた。
ゲーツ長官は、米軍の軍事能力が制限されている太平洋における対中政策を打ち出しており、同国防予算案で一部の項目を削減して経費を捻出する予定であると説明した。「中国の軍事力が、米軍の能力にリスクをもたらすことは明白で、警戒すべきだ」と語った。
同予算案では、レーダー妨害技術の開発や無人戦闘機の作戦能力の向上、新型長距離爆撃機や新型弾道ミサイル発射機の開発など、数十億ドルの予算を組んでいる。
今回の中国訪問の課題について、同長官は中国最高指導者に対し、米中の戦略的対話の展開を働きかける意向を示し、「中国の増強し続ける軍事力の運用を、より的確に米国が把握することが目的である」と述べた。
その一方で長官は、「劇的な変化や突破口を開くことなどは期待していない。一部のことを着実にスタートさせることができれば、積極的な成果が得られたことになる」と述べた。
また、長官は、中国の最高指導部と連携して、北朝鮮による軍事挑発の再発防止に取り組む旨も明らかにした。
中国訪問期間中に、同長官は砲兵部隊も視察する予定となっている。
中国訪問を終えた後、ゲーツ長官は13~14日に日本を訪問、その後韓国を訪れる予定。米VOAは日韓訪問の主要目的について、「軍事協力の関係を深め、潜在的な脅威に対する対抗能力を強化させるためであろう。その種の脅威の発信地は、今のところ北朝鮮ではあるが、中国の可能性もある」と報じた。
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