【大紀元日本10月27日】保守で知られる米紙の報道によると、オバマ政権内に対中政策を巡って対立する二つの派が存在する。最近、中国に対する「弱腰派」は次第に勢いを失い、クリントン国務長官を代表とした「失望派」が次第に主導権を握り、これから2年間の米中関係を左右することになるであろう。ワシントン・タイムズの編集者・記者ビール・ガーズ氏が、ワシントン・タイムズ掲載のコラム記事で指摘している。
オバマ大統領は11月4日からアジア訪問を行い、日本、韓国、インドネシア、インドを歴訪する予定である。中国の玄関口まで来ながら、中国は訪問国のリストには入っていない。
同記事によると、オバマ政権の誕生以来、ホワイトホウスでは対中政策において対立する二つの勢力があり、その闘争は外部には知られず、両陣営のリーダー格の言葉の端々からしかその一端を伺えない。米国の高官が証言したように、中共は米政権内外のあらゆる親中派を通じて対中政策に影響を与えようとしている。
オバマ政権が生まれた当初、政権内の政策決定者の中に、国家安全、外交、政治、経済、貿易などの領域で中共と交流すべきだと主張するものがいた。そのため、融和・妥協を主張する勢力が一時優位に立った。この人たちは、中共を刺激しないようにと主張するため、「弱腰派」と呼ばれている。
この「弱腰派」のリーダーは、米中における「戦略的保証(strategic reassurance)」の概念を打ち出した、ジェイムズ・スタインバーグ国務副長官である。米国が中国の台頭を受け入れる代わりに、中国も他国の安全を脅かすことのないよう責任ある役割を果たすことを求める対話の姿勢である。「弱腰派」には、その他、ホワイトホウスの国家安全委員会アジア・スタッフ・ディレクターとその代理、米中中国大使などがいるとされている。
ガーズ氏の記事によると、コペンハーゲンサミットで「弱腰派」は冷や水を浴びせられた。その後イランの核制裁問題、北朝鮮の核問題、人民元切り上げ要求、貿易摩擦などを経て、2009年末、オバマ大統領の中国訪問後、米国の高官は、中共との接触政策は全くの無駄骨であるという結論に達した。
スタインバーグ国務副長官は、中国の和平的な台頭を基盤とする「戦略的保証」の概念が棄却されるとともに、米政権内における対中政策の主導権を次第に失うこととなった。そして、クリントン国務長官の対中「失望派」が次第に世論をリードしている。
クリントン国務長官はこの夏、ベトナム・ハノイで行われたASEANサミットの首脳会議で、「南シナ海で自由に通行することは、米国の国家利益」だと強調したが、「弱腰派」からすれば、このような発言は間違いなく中共を刺激するものである。クリントン国務長官のほか、「失望派」の重鎮には、米情報局長や、カート・キャンベル東アジア・太平洋担当国務次官補などが挙げられる。
「ワシントンポスト」の最近のトップニュースでは、「中国共産党政権は、絶えず米国の限度を探り、南シナ海を中国の核心的利益として優先づけている。米国の強硬な反応を招くことは必至だ」としている。
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