【大紀元日本10月23日】トントンと野菜を切る音にジャラジャラと麻雀牌を混ぜる音、子供の騒ぐ声に親の怒り散らす声、肉野菜炒めのいい香りに自家製干し魚の生臭い匂い、風になびく洗濯物に日溜まりでまどろむ猫‥‥写真から漂ってくる庶民の無秩序で悠然とした生活が、喧噪な現代化の街、上海にあった。
隆昌路362号。隆昌公寓と呼ばれるこのアパートは1920~30年代に建てられたそうだ。もともとは租界地の警察署(巡捕房)で、1949年以降は公安局の家族宿舎として使われていた。そして現在、250世帯が肩を寄せ合って生活するこのマンモス・アパートの住民のほとんどは、地元上海の一般市民だという。
04年には、隆昌公寓は「移転させない文化遺産」と指定された。そんな指定はどこ吹く風。住民にとっては相も変わらぬ「我が家」のようだ。
ちなみに、ここ隆昌公寓は、香港の映画俳優、周星馳(チャウ・シンチー)が04年に監督・主演した映画『カンフーハッスル』(原題:功夫、Kung Fu Hustle)のロケ地であるとの噂もあるが、定かではない。隆昌公寓の写真を見て『カンフーハッスル』を連想する人は、少なくないだろう。
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