【大紀元日本9月30日】掲載できないでいた上海万博に関する1本の記事とブログライターの上海万博体験記が、最近、中国のネット上で話題になった。その中で触れられている中共政権下にある中国人のマナー意識が、ネットユーザーらの間で熱く論じられている。
人気大衆紙「南方週末」の陳鳴・記者が「上海万博:中国人の面目、丸つぶれ」という記事を書いたが、南方週末に掲載されたバージョンは、元の記事の跡形もなかった。同記者はその後、元のバージョンを自分のブログで公開することにした。記事は、各国のパビリオンでの泣くに泣けず笑うに笑えない来場者の様々なマナー違反をつづったものである。
その一例として、「上海万博のパビリオンの中では、中国人が大小便をしたり、展示品を万引きしたり、外国人の係員を侮辱し罵ったりするなどのことが、しょっちゅう発生している」と書かれている。各国パビリオンの係員が記者の取材に応じた際、中国人のマナーに対してすでに「飽きれ切っており、不満も募っている」とこぼし、中国人の来館者に対して嫌悪感を抱く者もいた。
この記事をきっかけに、ネットでは中国人のマナー意識についての討論が繰り広げられている。
広報関係の仕事をしているネットユーザーの高明さんは、次のようにコメントしている。
「これらのことは、中国人のマナー意識の問題ではあるが、主催者側もその責任から逃れることはできない。なぜなら、極限の状況下で起きたことだからだ。たとえば、ある子供がパビリオンの中で大小便をするのは無論いけないことだが、この子供にしてみれば、3、4時間も列を作って待っていたし、その近くにトイレがないので、そこで用を足すより仕方がない。主催者側の責任を問うべきだと感じる。主催者側は入場者を呼び寄せる点では、かなりの成功を収めたが、上海万博の展示館が一度に受け入れられる参観者の数を考慮すれば、行き過ぎだったのではないだろうか」
ネットライターとして知られる楊恒均氏は、この記事を読んだ後、わざわざ上海万博に足を運び、一人の参観者として現地観察を行った。そして、自分のブログで「上海万博体験記:中国人の低いマナー意識が上海万博の恥となるか」と題する文章を掲載し、中国人のマナー意識はそれほど低くないが、もろもろの問題が万博では拡大されやすいという見解を示している。
「(責められるべきは)万博参観者などの中国国民を騙している人々の方で、とりわけ主催者たちだ。なぜ人々は必死に上海万博を見ようとするのだろうか。それは主催者たちが詐欺の宣伝をしたからだ。国を挙げてイベントを宣伝し、国を挙げて国民を騙している。万博はそもそもごく普通の展示でしかないのに、政治化し、一般的なものを巨大で異常なものにでっち上げ、国家の尊厳と一体化させ、国家の強盛と結びつけなければならないのだ」
楊氏は、アジア自由放送のインタビューに応じて、次のようにコメントしている。「上海万博の環境が整わず、その主旨が歪んでいるため、入場には尊厳がなく一種の挫折感を感じさせられる。普通の参観者は長い列を作って入場を待つが、官員たちはグリーン通路をスッと通って行く」
楊氏のブログは掲載されてまもなくブロックされてしまったが、掲載中にすでにかなりのネットユーザーを引きつけたため、熱い議論を引き起こしている。
このことに関して、「クマおばさん」と名乗るユーザーがネットで中国人のマナー意識について、「万博奇観=誰が中国人に恥をかかせるのか」という評論を発表し、次のように語っている。「ある社会の文明度を評価する指標として、国民のマナー意識向上によるばかりでなく、政府が国民を尊敬することも不可欠な要素という認識を確立させるべきだ。この意味では、今の上海万博は中国における文明の向上を促進する上で、何の役割も果たしていないと言ってよい」
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