一人っ子政策の緩和を実施予定

2010/09/15
更新: 2010/09/15

【大紀元日本9月15日】進む高齢化と更なる労働力の必要性から、中国政府は20年以上施行して来た一人っ子政策の緩和を検討している。

米紙USAトゥデイは10日、中国政府は2011年に出生率の低い5つの省で一人っ子政策の緩和を試行する見込みだと、政策担当者に近い統計学者の話として伝えた。氏の話によると、夫婦のどちらかが兄弟のいない一人っ子ならば、その夫婦は第二子をもうける事ができ、政策緩和は北京と上海、その他の省では2012年に試行に入り、13年あるいは14年には全国的に実施される予定だという。

一夫婦で一人の子供しかもうけることが許されない、一人っ子政策が施行されて以降、中国では、強制堕胎や、卵管結紮など体に負荷の大きい避妊手術の強制、「超生(制限以上に出産)」に対する罰金などが社会問題となっている。

過去30年、中国は同政策により厳格な人口管理を行い続けてきた。第二子を「超生」すれば罰金として3万元(約37万円)を違反者に支払わせた。ただ例外もあって、農村家庭で第一子が女児の場合、第二子をもうける事が許されている。

当局の家庭計画部門は、13億の人口を抱える中国は一人っ子政策により4億人の出生を阻止したと伝えた。しかし過去20年において、出生率の急激な低下と医療の発達による寿命の延長で、中国はかつてないほどの速さで高齢化が進んでいる。

また、中国人の「重男軽女(男を重んじ女を軽んじる)」という思想は多くの女児を強制的に流産させた。このため出生比率のバランスが崩れ、09年国家統計局のデータによると、新生児の男女比率は119対100となった。

香港浸会大学の中国家庭計画研究員である邵(しょう)一鳴氏は、両親の面倒は1人の子供が背負うよりも複数の兄弟で見るのが望ましく、将来に至っては男女人口の不均衡は数千万人の男子が結婚できないという事態を引き起こすとして、中国政府の一人っ子政策緩和を促すよう、同紙で述べている。

(翻訳編集・坂本)