【大紀元日本8月4日】近年、中国の富裕層の間では、米国での出産が密かなブームとなっている。関連業務を代理する会社も増え続けている。米国の法律では、米国で生まれた子どもは親の国籍を問わず、米国国籍を取得できるからである。中国の業界関係者は、「親たちはやはり、わが子に米国で教育を受けさせ、米国の社会環境に適応させることを願っている」と現状を説明している。
米「ワシントン・ポスト」紙の最近の報道によると、関連業務を代理する多くの会社の中でも草分け的な存在は、上海在住の台湾人夫婦・周さんの会社。その会社のプランは、妊婦は出産予定日の2ヶ月前に米国に渡り、出産後1ヶ月まで米国に滞在する、という内容である。提携先のカリフォルニア州の育児センターで計3ヶ月滞在する。同センターの医師と看護婦は全員中国語が話せる。部屋にはケーブルテレビとインターネットが装備されており、毎日の費用は35ドル。そのほか、観光とショッピングなどのオプションツアーも設けられている。
同会社の謳い文句は、「同業務の基本料金は1475ドル。ダイヤの指輪すら買えないこの金額で、わが子、ひいては家族全員が米国国籍を取得できる」。基本料金には米国往復の航空券と観光ビザ取得費用を含まない。関連の申請書類の記入などを手伝うだけと会社側は説明する。
周さん夫婦は、自分たちは絶対に「蛇頭」ではないと弁明、米国憲法第14条の修正案に沿って、中国国内と台湾のお客様のために、その子女が米国国籍を取得するのを手伝うだけという。
米国憲法第14条の修正案とその関連法規の定めでは、米国で生まれた子どもは必然的に米国籍を取得できる。その子どもが満21歳になると、その外国籍の両親は米国での定住権を申請できる。
周さん夫婦自身は過去に米国での出産を選んだ。それを機に、中国国内での「出産旅行」のビジネスチャンスに気づき、5年前に関連業務を代理する会社を立ち上げた。以前は、同会社の顧客の8割は台湾人だったが、現在では、北京と上海の顧客が7割を占め、主に医者、弁護士、企業経営者、メディア関係者などの富裕層であり、すでに600人余りの出産手続きを代理したという。「彼らはファーストクラスで米国に渡る」と社長の周さんは言う。
顧客の朱さんは、わが子に米国籍を取得させる理由について、教育と生活環境が主な要因と話した。「生まれてくる子どもには、別の選択肢を与えたい。米国籍があれば、米国での学校教育を受けやすくなる。現時点では、自分たち夫婦は米国に移民する考えはない。老後になったら考える」という。
上海人妊婦の謝さんは5月から、前述の米国育児センターで豪華な個室を借り切って、4ヶ月間滞在する予定。病院での出産費用や往復の航空券代金は約3万ドル。すでに2ヶ月間滞在した謝さんは育児センターのサービスに非常に満足し、「生まれてくるわが子の一生の運命のための、必要な投資」と語っている。
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