信念の「籠城」続ける馮正虎氏 上海公安が馮氏の家族へ懇願

2009/11/13
更新: 2009/11/13

【大紀元日本11月13日】11月3日夜、中国への帰国のため、日本の全日空機に搭乗して成田空港から上海浦東空港に着いた上海市民・馮正虎(フォン・ジェン・フー)氏に対して、上海当局は中国入国を認めず、翌4日午前、同氏を日本へ強制送還した。

馮氏は、自国民の合法的な入国を認めない中国側の不当措置に抗議の意を示すため、日本への入国手続きを取らず、7日経った11日の時点でも成田空港内の入国審査室に留まっている。

馮氏の家族へ懇願する上海公安

この事態が国際問題に発展することを恐れた上海の公安当局は、馮氏の中国国内の家族に対して、同氏が日本に入国するように家族から勧めてほしいと懇願していたことが、本紙記者による馮氏への電話取材で明らかになった。

この上海の公安当局からの懇願に対して、馮氏の家族は「馮正虎は中国へ入国し、上海の家へ帰りたいのだ。それなら、そうさせてやればいいではないか」と一蹴したという。

馮氏はすでに日本入国のビザを放棄し、日本へは入国しないことを宣言している。記者が馮氏の健康状態はどうかと聞いたところ、電話の向こうの同氏は笑って「私は無実の罪で3年も監獄に入れられ、55日間にわたる過酷な尋問も受けた。それに比べれば、どうということはない」と応えた。

中共対連部長と鉢合わせ

8日午後、日本に到着した中国共産党対外連絡部長の王家瑞氏が、入国審査室前で「籠城」する馮氏と顔を合わせるというハプニングが起きた。王家瑞氏は、馮氏にとって復旦大学時代の知己であり、同門の後輩に当たる。

馮氏はこの「後輩」に、自分が中国入国を拒否されたいきさつを駐日中国大使館に伝えるよう求めた。また、すでに上海当局によって8回も入国拒否されていることを記した資料を、王家瑞氏に届けるよう随行員に渡した。

馮氏の手荷物と、同氏が寝泊りしている空港内入国審査室のベンチ。

過酷な状況変わらず

しかし、現在の厳しい環境で馮氏の体力が低下していることは疑いない。馮氏が実費を払うので食べ物を買ってきてほしいと頼んでも、航空会社の職員および空港職員は応じない。千葉県に住む馮氏の妹が届けた差し入れも、馮氏に渡してもらえないという。

馮氏はこの数日間、1日に数枚のビスケットのみを口にし、トイレ内の水道水を飲み、入浴もできないまま空港内の入国管理室にある幅45センチほどのベンチで寝泊りしている。

このような状況のもと馮氏は、中国語で2千字に上る声明文を発表した。

同声明の中で馮氏は、中国公民の正当な権利に基づき合法的に帰国しようとした同氏を強制送還した上海当局、および中国側に弱腰な日本の航空会社に対して抗議するとともに、自分で費用を出して職員に食料を買ってきてもらうことは日本の法律に違反しないはずだとして、鳩山首相の政治信条である友愛の精神に基づく人道的な処置を求めている。

広がる馮氏支援の輪

現在、成田空港の入国管理室にいる馮氏に食料などの救援物資を届ける方法は、海外から日本に入国する人が、直接持ち込むしかない。

このような中、海外にいる中国人で帰国の権利を奪われた民主活動家などから、馮氏支援を呼びかける動きが出てきている。

米国在住の楊建利氏は、日本に行く機会がある人々は、リレー形式で馮氏を支援するよう呼びかけた。

またオーストラリア在住の張暁剛氏は、各地の支援者の参考に供するため英文のFAX原稿(付記)を作成した。その内容は日本へ行く乗客は馮氏に食料を届けようというもので、張氏はこれを世界各地の空港で配布するよう呼びかけた。 

(付記)張暁剛氏によるFAX原稿

Give Him Some Biscuits!

ー Homeless Chinese dissident in Japan’s Airport

Dear Sir/Madam,

When you arrive at the Terminal 1 of the Narita Airport in Japan, please give some biscuits or other food to Mr. Feng Zhenghu, who has been there homeless for a week, and run out of food.

Mr. Feng is a Chinese dissident, and is prevented from going back home after a visit to Japan.

He has tried 8 times flying back to China, with a valid Chinese passport, every time was turned back to Japan by force, without an explanation.

Everyone has the right to go home, after an oversea trip. Do you agree with this?

Mr. Feng refused to enter Japan, because he simply want go home. That’s why he is still in the Japanese airport. has been there for a week, and run out of food.

When you passing by, please give him some biscuits or other kind of food, and suport him for his right to go home.

(記者・張本真、翻訳編集・牧)