【大紀元日本8月2日】先月19日、中国大連市で携帯電話を通じ、市民の健康を脅かすような強い有毒物質パラキシレンの製造工場が不正に稼働しているとする告発メッセージが流れた。これに対し、ネットの掲示板などには、大連市政府に抗議する市民からのメッセージが溢れている。
大連市で流布したメッセージによると、大連市東北部の「福佳・大化石油化工有限公司」は人体への毒性が強いパラキシレン(芳香族炭化水素類)を製造しているという。国際基準では、このような毒性の化合物を製造する場合、製造工場は都市から100キロ離れた場所でなければいけないと規定されている。しかし、問題の工場は大連市から約20キロしか離れておらず、市民の健康を脅かしていると、告発文は警告している。メッセージは、「工場は原子爆弾を抱えているも同然であり、大連市の市民たちは将来その影響を受け、白血病や奇形児が大量に発生することが予想される」と締めくくっている。
情報によると、6月21日に稼働を始めたこの工場は、年間約70万トンのパラキシレンを生産する予定だという。近くには住宅地もあり、大連市中山区までは約20キロもないという。告発メッセージが市民の間に流れると、中国国内のネット掲示板やブログに、政府当局の責任追及を強く求めるコメントが市民から大量に寄せられた。
これに対して、大連市環保局は、福佳・大化石油化工有限公司の製造は国家の産業政策の一環で、大連市の経済社会、生態環境への影響も国家全体の要求を満たしていると発表。また、環境に重大な影響を与える石油化学関連事故の発生率は10万年に1度の割合であると強調したが、パラキシレンが人体に与える影響については触れなかった。
2007年、福建省アモイ市海滄区で年産80万トンのパラキシレン製造工場建設の予定があったが、工場がアモイ市中心部から10キロも離れていないことから、住民がメールで抗議デモを呼び掛け、大勢の反対で工場建設が阻止された。
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