中国湖北省官僚刺殺事件:高まる国民感情、恐れる中央政府

2009/05/30
更新: 2009/05/30

【大紀元日本5月30日】中国湖北省巴東県の某旅館で5月10日夜、訪れた地元幹部3人に強姦された女性従業員が、3人を殺傷する事件が発生した。女性が殺人罪の容疑で身柄拘束される中、インターネットサイトでは、彼女への支援が日々強まり、全国で注目される事件となっている。中国問題の専門家は、本件により露呈した中国国内の情勢を分析し、本紙に寄せた。

5月10日夜、現地政権の幹部・_deng_貴大氏ら3人は地元三関鎮の「雄風賓館」に訪れた。カラオケボックスの女性従業員・_deng_玉嬌さんに「性的サービス」を要求し拒否された後、3人の幹部は彼女を集団強姦した。_deng_玉嬌さんはその間、ナイフで鄭貴大氏を殺し、もう一人の幹部を刺してケガを負わせた後、自ら警察に110番通報した。現場に駆けつけた警察は、彼女を連行して、精神病院に収監した。

内部情報によると、精神病院では、彼女が暴行と虐待を受けている。地元警察当局は、彼女の母親を脅し、死者の体液が付着した彼女の下着の処分を命じ、無料弁護を申し出た弁護士の解任を強いたりしている。

また、幹部による強姦事実を否定しようと、地元警察は幾度も通告を出し、彼女はうつ病患者であるとか、性的行為は同意の上だったとか、いくつかの論調を発している。中国問題の専門家は、地元警察はどんなに事実を改ざんしようとしても、鄭玉嬌さんは正当防衛であることを抹殺できないことを指摘、彼女は幹部に強姦される無数の女性の中の一人であるに過ぎず、幸いのは、事件は明らかにされ、国内外に注目されていることだと話した。

この事件の詳細はインターネットを経由して全国に知渡った。強権の被害者である彼女を同情・支持し、真相の究明を求める国民の声が勃発。一部の地方メディアも擁護の姿勢を打ち出している。インターネットサイトでは、彼女を「貞操烈女」や「女英雄」「天の代わりに正義を下した」などと称え、殺された幹部について、「天罰だ」「このような幹部は殺されても仕方がない」との声が後を絶たない。

一部の民衆は怒りの矛先を地方政権に向かい、最高指導部による事件解決を期している。それについて、中国問題の専門家は、「中国共産党の一党独裁の政権は、幹部の権力濫用を導き、大勢の強姦魔が生じた根本的な原因である。民衆がこのような独裁政権に正義な裁きを期待するのは、虎にその皮を求めるのと同然で、無謀な望みである」と指摘した。

事件発生してから17日間が経つ中、最高指導部は事態の収拾に困り、沈黙を保ち続けている。内部情報によれば、中央の公安部は地元警察に、鄭玉嬌さんの釈放禁止を命じている。また、メディアを管制する最高指導部の「国務院新聞弁公室」は、同事件に関する報道の自粛を内部通告したという。

中国問題の専門家は、「当局が恐れているのは_deng_玉嬌さんという烈女でも、案件そのものでもない。彼らが怖がっているのは、事件の発生により形成されつつ、暴政を反抗する強大な国民の怒りの嵐、と揺さぶっている政権への破壊力である」と述べ、中国共産党政権が関心を示すのは権力だけであり、その存続自体は、人民の利益と対立している。そのため、民意を尊重するのは永遠に不可能である、と分析、最高指導部はこれまでのように全国の情勢を制御できなくなっていると指摘した。

(大紀元編集部、翻訳編集・叶子)

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