【大紀元日本10月13日】9月6日、メラミンの禍害がいよいよ庇い切れなくなったと見て、中共は、10月に打ち上げ予定の有人宇宙船「神舟7号」を9月27日に発射すると急遽発表した。世論操縦の大黒柱・新華社は、渾身の力を振り絞って宇宙船の打ち上げを宣伝してきたが、それでもメラミン問題で高まりつつある罵声を消すことはできなかった。そればかりか、報道する中で、新華社自身も化けの皮がはげてしまい、偽造体制の裏を曝すあらたな証となった。
中国では、重要ニュースについて、各メディアは自社の記事を掲載することが許されず新華社の配信したものを転載しなければならない。すなわち、新華社は、中国メディアのボスであり、全国のメディアに配信する「統一ニュース」の寸法や容貌を決め、出すタイミングを把握するのである。絶対権力を握っているだけに、新華社は政治的責任が重大であり、ビッグニュースを出す場合、慎重に取り扱われなければならず、疎漏や失敗は決して許さない。
緊張過剰による痙攣であったのか、27日に発射予定の有人宇宙船に関する記事が25日にネットに掲載されてしまった。もし、その記事が大雑把なものなら、中共のことだから腑に落ちないものでもないが、実際はかなり緻密で詳細なものであった。
その記事は、「太平洋上の不眠夜、神舟7号宇宙回転第30回の観測記」と題し、「新華社ネット27日ニュース、27日深夜、太平洋上は不眠の夜」と書き出し、太平洋にある宇宙観測船、打ち上げた有人宇宙船の回転回数や時間、観測船の観測実態、指揮官の命令および宇宙船乗組員との通話内容、などなどを詳しく生々しく記しているものである。
25日に27日のニュースを掲載するなんて、いくら愚か者でもそんな馬鹿なことをしないだろう、何者の悪戯だったろう、と思われがちだ。残念ながら、新華社は己のミスを明確に認めかつ謝罪した。「神舟7号発射前の9月25日、編集者の操作ミスにより、下書きのある記事に掲載許可のサインをし、本社のネットに掲載した。深く陳謝する」。
異例の謝罪に対し、反応はまちまちだが、感心する人もいる。しかし、この常識では考えられない対応は決して新華社の誠実や進歩によるものではなく、いわば認めざるを得ないのだ。なぜならば、このような国家機密は、特別許可を得た新華社の記者でなければ決して現場入りできないし、むろんそのような詳細な内容も他者なら空想しても捏造できないのだから。
新華社にとって、ミスを認めないと叩かれるが、認めたら足を取られてしまう。進退極まれりだ。日付を間違えて事前にニュースを出したぐらいなら、管理問題といって言い包めることができるが、発生していないのにその内容を詳細に生々しく記している捏造について、ただ「下書き」という文言だけではお茶を濁すことはできまい。前もって型を決めておき、その型をもってニュースを造り出すという、中共メディアのニュース創造の術が、これで立派にばれてしまった。世界から注目が集まり、科学の最先端とされる有人宇宙船の打ち上げについても事前にその内容を捏造するのなら、捏造できないものはないのではないか。
中共のメディアは、巨大なマシーンであり、昼夜休まずにさまざまなニュースや情報を造りだし、どんどん国内外の市場に送り込んでいる。少なからぬ人は、押しつけられた生産品を我にもあらず消費し、そしてデマを広げる中共の宣伝マシーンにもなっていくのだ。
メラミン混入の粉ミルクを長く飲めば腎臓結石になったり、死亡するが、有害物質が多く混入されている中共メディアの生産品を長く消費すれば、洗脳されたり思考障害などの病に患るに違いない。したがって、精神の健康を守り、中共の有害食物の流入を防ぐために、われわれは中共の毒入りの情報生産品をも毅然として拒まなければならないのではないか。これも自己防衛であり、国際貢献でもあるのだ。