現地政府介入の不当融資事件に抗議、群衆1万人が交通網遮断=中国湖南省

2008/09/06
更新: 2008/09/06

【大紀元日本9月6日】中国湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州吉首市で4日、およそ1万人の群衆が抗議デモを行い、駅を包囲し線路や道路などを遮断した。4年前、現地政府も推し進めた現地企業の高利息融資に地元市民15万人が資金を投入したが、今年6月以降、元利返済ができない可能性が出始め、被害を受けた出資者らの怒りが爆発、街頭に出て駅や主要道路を遮るなどの抗議を行った。

当日、大量の武装警察が吉首市に派遣され、市民と衝突し、群衆側の負傷者は50人を超えたという。現在、抗議が鎮まったが吉首市の武装警察、交通警察、民間警察、消防警察等が全員待機しているという。

抗議現場の湖南省湘西自治州の吉首駅(読者投稿写真)

地元住民によると、2004年に吉首市政府関係者が政治業績を作るために、地元の土地開発業者および採鉱業者が市民を対象する高利息融資行為に支持を示した。企業は短期間で大量の資金集めに成功した。さらに政府関係者らも融資に参加、開発業者と提携して、裏で大量の投資を操作し、2006年には投資総額が3000億円以上に上った。白熱化した投資ブームに惑わされて、多くの市民は退職金、老後のための貯蓄、土地を売却した資金、強いては銀行から高利回りの借金をしてまで、次々と投資に参加した。報道によると、投資に参加した個人投資者が15万人にも及び、個人投資額は3年間で約462億円に上った。

しかし、一方で今年の7月末から8月初旬に、政府トップおよび市行政トップ関係者が一夜で投資した総資金とその利息を全額引き出し、一瞬にして約46億円が減ってしまった。情報を知った一般市民も相次いで資金および利息を引き出し、半月も経たない内に約108億円の資金が引き出された。その後、開発業者らは投資者に対して元利返済できないことを明ら

    抗議現場の湖南省湘西吉首駅

かにした。

これまでに、今回の融資に参加した開発業者・企業は、湘西トゥチャ族ミャオ族自治州だけでも20社以上があり、それに個人投資家、賭博場(同自治州では賭博が流行っている)など、少なくとも50軒が資金を投入した。200万人人口の同自治州は今回の融資投資事件で社会経済が翻弄された。

多くの被害者は落胆し、怒りと失望で自殺しようとする者も現れたほどだという。9月4日、大勢の投資者は中央上層部の関心を引き寄せるために、駅の線路を遮り、人間壁を作り往来する汽車を止め、交通動脈を切断させたという。

吉首市は湖南省西部、武陵山脈の東側に位置し、湖北省、四川省、貴州省に接し、 湘西土家族自治州の州都で、武陵山岳地区の要所といわれている。18の郷鎮を管轄し、総面積は1062キロ平方メートルで、南北には鉄道と国道が通っている。

道路を遮断する抗議者ら

線路を遮る抗議者ら

道路を遮断する抗議者ら

駅前の広場

湖南省湘西自治州の吉首駅=大量の武装警察部隊が派遣された

(翻訳/編集・余靜)