【大紀元日本7月17日】フランスの衛星事業会社、ユーテルサット社(以下、ユ社)が新唐人テレビ(NTDTV)の中国向け放送を中断した件に、欧州連合諸国の議員が注目し始めている。スウェーデン駐欧州理事会の代表、欧州理事会(PACE)のリンドブラッド(Lindblad)副委員長はこのほど、ユ社の総裁に親書を送った後、メディアに新聞公報を発表、NTDTVの放送信号の遮断を止めるよう求めた。大紀元の取材を受けた際に、リンドブラッド副委員長は、この事件は中国当局の崩壊を加速させると指摘した。
ユ社は2004年NTDTVと衛星使用の契約を結んだ。放送中断の原因についてユ社が技術的な故障と説明しているが、国境なき記者団(RSF、本部・パリ)が公表したユーテルサット社上層部幹部の関連発言の録音テープによれば、実質的には北京五輪の開催に向けて、中国当局と共謀した政治的行動であることが判明した。その背景には、NTDTVが中国当局の検閲を一切受けず国内向けに情報を報じ続けていることが原因である。同社の広報は、「02年に米国ニューヨークで設立してから、中国当局から度重なる業務妨害、脅迫などを受け続けてきた」と説明した。
リンドブラッド副委員長は、ユ社のジュリアーノ・ベレタ会長に宛てた書簡で、「御社は今回のNTDTVの衛星放送信号の中断は技術的な原因としているが、一方、同じく御社の衛星で中国向け放送しているVOAの信号にはまったく問題がない。今回の出来事は、貴方が長い間中国当局に屈して協力してきた結果とは思いたくないが、国境なき記者団が公表した録音証拠が示したのは、これは技術的な故障ではなく、政治的な判断である」と書き記し、放送信号の遮断を中止するよう求めた。
また、同副委員長は7月11日、スウェーデンのマスコミ宛に新聞公報を発表、「ユ社が中国当局と親密な関係を築くために、NTDTVの中国向け衛星放送の信号を遮断した。この3年間、ユ社は中国当局からの圧力を受けてきた。中国からもっと多くの取引を獲得、当局のロケットで自社の衛星を発射させるために、同社はNTDTV放送の信号を中断した。利益への執拗な追求により、ユ社が中国当局の奴隷(レーニンの言葉で言えば、役に立つ馬鹿者である)に変身した」などと述べた。
リンドブラッド副委員長は取材で、この事件について、「貪欲な資本家が独裁者と手を組んだ」と形容した。
同副委員長は、「五輪開催が迫る中、我々は中国で発生していることについて、もっと議論を交わし、多くの情報を取得すべきだ…そこで行っている多くのことは『面子』を保つためであり、苦難に見舞われているのは国民である。いま、中国当局による国民への弾圧は益々深刻になっている。この問題は欧州と全世界で議論されるべきだ。オリンピックに参加するのは結構だが、相手が共産党独裁政権であることを明白に念頭に置くべきである。中国国民にとって、この政権はまさに恐怖的な集団である」と述べ、国際社会が今回のNTDTV事件に注目し、正の圧力が徐々に強くなれば、中国共産党政権の崩壊を加速させる可能性があると示唆した。
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