【大紀元日本12月11日】温家宝首相が11月26日に開いた中国国務院常務会議で、2006年から2010年までの5ヵ年環境保護計画-「国家環境保護『十一五』計画」について審議され、可決された。会議では、中国の経済、社会の発展と、資源や環境の制約との矛盾が日増しに顕著になっており、環境保護においては極めて厳しい現状に直面していることが強調された。
会議では、経済発展の方式を変え、人民の健康および社会経済に対して危害を与える環境問題を確実に解決し、良い環境を持つ社会の建設に努力することが指摘された。この計画では、主要汚染物排出量の規制目標が確定され、水、大気、固体廃棄物、生態の安全、農村などの汚染予防及びその対応、また、海洋、核および放射線の環境安全など重点領域の環境保護に対しての計画、任務および措置が明確にされた。
情報筋によると、中国の新しい環境保護計画では、汚染をもたらす者に対して罰金を課すという。中国での環境破壊については、国務院が明確にしている。前回の5ヵ年計画は2005年に終了した時点で、中国の26%の主要湖が深刻な汚染を受けており、灌漑に用いることができなかった。また、中国政府は、2000年に二酸化硫黄の排出量を10%減らす目標を立てたが、ここ数年間、二酸化硫黄の排出量は減少するどころか、30%以上も上昇したという。
中国の新しい環境計画は、地方政府関係者に対してエネルギーを節約できる新しい技術の使用を促進し、植林を推奨し、日々増長する二酸化炭素排出量の減少を促した。
ドイツ在住の中国環境保護専門家・王維洛氏は新しい環境計画について、「根本的には問題解決にならない。中国国内の刊行物にこの方面の報道が多いかもしれないが、実際の効果はほとんどない。中国が改革開放してから、今もっとも生態環境の破壊が深刻だ、大躍進時代の破壊を超えており、この20年間一番酷い」「中国各地で現在化学合成プロジェクトが大量に始められているが、これはひどい汚染をもたらす上、エネルギー消耗も大きい」と分析した。
情報筋によると、中国政府はこれまでに環境保護について多くの目標を発表したが、これらの目標は地方政府が経済成長を重視するあまり無視されてきた。新しい環境保護計画は環境保護責任を関係者の職務と結び付け、さらなる厳重な罰金および収入の制限によって、環境保護に力を入れるという。中国政府は、環境汚染改善に対する実績を判断材料とし、各省級政府およびエネルギーを大量消費する千以上の企業に対して、審査制度および問責制を設けた。実際、今年7月に政府は銀行に対して、環境汚染をもたらした企業への貸付の取消命令を下した。
米カリフォルニア州の環境保護機構「国際河川ネットワーク(International Rivers Network)のアウィア・イムホフ氏は、中国水源の汚染度について、「国家環境管理局の報告によると、中国の75%の都市水源は飲用できないとみなされており、30%の河川の水は深刻な5級汚染と国に判定されており、灌漑の目的にも使用できないほどだから、いかに水の汚染問題が深刻であるかが伺える。深刻な汚染をもたらした原因は、国家が工業汚染排出物の管理および制御を厳しくしていないからだ。各種の汚染物が大量に直接河川に捨てられることから、国民の健康に甚大な被害をもたらすことも想像できる」と語った。
新計画では、2006年から2010年の11回目の5ヵ年計画期間において、中国人口はさらに4%が増加し、都市化が進み、経済総生産が40%以上に上り、社会、経済の発展とエネルギーや環境との矛盾がますます顕著に現れ、環境保護はますます厳しい局面に入ると予測している。
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