最新中国臓器移植事情:「袖の下」合戦で、費用高騰

2007/11/01
更新: 2007/11/01

【大紀元日本11月1日】中国の臓器移植病院が今年5月に人体臓器売買禁止法を施行したが、この半年間において、臓器の供給を控えたために価格が高騰した。移植手術jを急ぐ患者らは、「袖の下」を使うのが公然とまかり通っている。肝臓の移植手術費用は、23万人民元(約354万円)から30数万人民元(約460万円以上)に跳ね上がった。これまで短期間で入手できた肝臓も、台湾の企業経営者・楊さんは半年を待ち続けて、ようやく1ヶ月前肝臓移植ができた。

台湾「自由時報」紙によると、今年の「袖の下」相場は、病院の主任は2500~3000米ドル(約29~35万円)、副主任は1千~1500米ドル(約12~17万円)、当直医師および麻酔係は2千人民元(約3万円)、車椅子を押す者までにタバコなどの土産が必要だ。しかし、臓器供給が減少している現状下では、相場も変動しているという。仲介業者は「大金を惜しまないではじめて機会があるのだ」と憚らずに言っている。

仲介業者の黄氏はブログで、中国の臓器移植病院は現在、表向きの臓器移植費用および裏の「袖の下」費用の両方を受取っていると明らかにした。臓器を早く入手したい場合は、大量の金を出すのが肝心だという。また、肝臓移植の場合は約360万円、腎臓移植の場合は約216万円の「袖の下」を追加しなければ手術が希望通りに行われないという。最近、、約1800万円を費やした患者もいたという。

台湾大学外科リハビリ病棟主任・柯文哲氏は、少し前に台湾のある企業経営者は天津に渡り肝臓移植を行ったが、予約の順番に割り込むために約1千万円を費やしたという。年初では、360万円未満で肝臓移植が可能だったのが、人民元が強くなったために、臓器移植手術にかかる費用も値上がりした。

中国は今年5月に人体臓器売買禁止法が公布されたが、柯氏は臓器移植の背景にあるビジネスチャンスが巨額の富を生むため、禁止することは難しいと指摘し、死刑囚の臓器の価値は少なくとも約1800万円として、年間5千~1万人が処刑されることから、約1800億円に上るマーケットになると分析した。

*介護用病室、22~32万円の出費

入院、検査などに関連する費用について、さらに驚かされるものがある。患者によると、介護用病室は1日22~32万円が必要だという。台湾大学外科部主任の李伯皇氏は、患者が上海で2度にわたり肝臓移植を行ったが、全部で6千万円以上かかったという。

患者および腎臓移植仲介業者によると、今年5月に中国当局が「人体臓器移植条例」を発表してから、臓器の供給源が急激に減少したため、中国に渡り臓器移植する人数が一時減少したが、最近、ようやく「回復」したという。

一方、1ヶ月前に、台湾の長庚医院腎臓科外来診療部門に通院している尿毒症患者は、中国での腎臓移植を家族から勧められた。台湾の医師が執刀し、帰国後も執刀した医師がついているから安心だという。

泌尿科医師の黄士維氏によると、中国の臓器移植病院では最近、台湾医師が執刀することを宣伝に使っているという。台湾中部ではこの種の団体を斡旋するところもあり、この場合の費用は約1440万円だという。

匿名希望の腎臓科医師によると、中国で臓器移植を受ける友人(女性)に止めるように勧めたが、友人は聞き耳を持たなかった。結局、友人はC型肝炎に感染し、重い急性肝炎を引き起こしたため、腎臓を切除せざるを得なくなった。驚いたことに、友人が腎臓移植を受けた部屋は、医療設備が整っていないほど簡素だったという。

台湾大学付属病院にいた重度の糖尿病患者・劉さんは、中国で腎臓移植手術を受けたが、傷口が癒合できず、腎臓がはっきりと見えて、尿液が湧き続けたため、助けを求めて急遽台湾に戻ったが、今年5月に合併症で亡くなったという。まだ50歳だったという。

(翻訳/編集・余靜)