【大紀元日本10月24日】中国南部の江蘇省無錫市において、10月22日午前9時半ごろ、家屋の強制撤去に不満を持つ住民が、手製の爆弾を爆発させ、警官1人が死亡し、その住民も重傷を負った。
内情を知る者によると、市内の河埒口・新華書店の近くにある萬達・商業広場の建設予定地で、家屋の強制移転をめぐって、住民・徐国新(48)=男性=は移転業者と衝突し、集団で暴行を受けた。怒りが収まらない徐国新はその後、爆弾を作り、10月22日午前、再度移転業者の事務所を訪れた。話し合いの最中で双方が再び争い出し、徐国新は再度殴られた。その後、警官も現場に現れ、調停しようとしたが、怒りが爆発した徐国新は、もみ合いの最中に爆弾を爆発させた。
現場にいた警官・王建峰は左腹部に重傷を負い、徐国新は右手が切断された。2人は無錫市第四人民医院に緊急搬送され、同日午後、警官が死亡した。
現場に居合わせた目撃者によると、徐国新が作った爆弾は三つ。湯飲みの大きさで黒い布に包まれていた。爆薬の中にはねじ、ナットなどが混ぜられ、表面には多くの釣り針が付けられていた。今回の爆発現場で爆発したのはそのうちの1個。当時、死亡した警官と徐国新を含め、5人が現場にいた。
地元住民によると、徐国新は独身で若いときには結婚相手の女性がいたが、勤め先に住居を分配してもらえなかったため、結婚できずに別れてしまった。そのため、精神的にショックを受けた徐国新は、精神が不安定になった。今回の家屋強制移転の過程において、自宅の電線が移転業者に強制切断され、ほかの業者に修理してもらったが、修理費用の支払いなどをめぐって、移転業者と衝突し、頻繁に集団暴行を受けた。そうした恨みが積もり、今回の爆発を計画したとみられる。
住民からは、「中国当局は今年10月から家屋の移転問題を定める法律『物権法』を執行し始めたが、依然として現場では、強制移転の問題が深刻で、住民は不動産開発業者や現地政府などと激しく対立するケースが目立つ」との声が聞かれた。