【大紀元日本8月24日】中国国家品質検査総局局長が「国際社会の中国製品品質への懸念は『メイド・イン・チャイナ』への誹謗中傷であり、貿易保護主義の新形態だ」と発言したことに対して、ピーター・マンデルソンEU通商担当委員(英国出身)は20日、中国政府は世界各国の中国製品品質への懸念を両経済体間の貿易報復手段の口実として見なしてはならないと警告した。
英BBCによると、マンデルソン通商担当委員は、「私は、消費者に危険性をもたらすような製品をすべて回収する必要のあるヨーロッパ企業に対して、私は全力で支援していく」「これは貿易摩擦問題ではない。これは消費者の健康に及ぶ問題だ。……もし、中国が(貿易)報復行動のために口実を作りたいならば、EU政府として中国と徹底的に議論していくだろう」と話した。
同委員は、中国当局が、EU企業が品質に問題のある中国製品を自主回収し、あるい輸入を停止したことの裏に政治的な目的があり、中国に対して偏見を持っていると認識するのは完全に間違いである、と指摘した。同委員は、同時に「EUの通商担当委員として、品質問題のある中国製品に対して用いた諸措置は貿易保護主義政策であるとの言い方を受け入れられない」と述べた。
仏経済財政産業省貿易担当・クリスティーヌ・ラガルド大臣は、マンデルソン通商担当委員の発言に支持を示した。同大臣は「いかなる国に対しても抵抗的な措置を行わないが、それらの国として、(製品の)安全性慣例を尊重しなければならない」と述べた。
米国大手玩具会社マテルは先週、品質に問題があるとされる中国製玩具2000万個を世界規模で、回収したことで、EU当局は各同盟国関連機構及び各企業に対して警戒を呼びかけている。
貿易保護主義の新形態と主張する中国
中国国家品質検査総局の李長江・局長はこれまで、数回にわたって国際社会が中国製品の品質問題を誇張していると非難してきた。
李局長は8月19日に中国中央テレビ放送の番組「メイド・イン・チャイナを信じる」に出演し、「中国輸出製品の品質合格率は99%以上に達しており、われわれは児童玩具や食品の安全性に特に注意を払っている」と強調し、「したがって、中国製品についての脅威論、あるいは中国製品への誹謗中傷は、私個人として、ある種の貿易保護主義の新形態であると認識している」と話した。
李局長は番組の出演中、「国家品質監督検査検疫総局は製品安全性の確保に全力で努めており、同時に不良品の取り締まりを行ってきたため、製品品質の合格率は近年同じレベルで維持されている」、「なぜ数年前には、(品質問題の)報道が全く見当たらなく、今年上半期に、こんなに報道されるようになったのかが不思議に思う」と述べた。
相次ぐ中国製品安全性問題で、中国当局は今、国際社会から大きな圧力を直面している。一方、中国の対外貿易黒字の拡大も、中国と米国などの国との貿易関係を緊張化させた一因だ。
ニュージーランド政府は8月20日、中国製子供服に対して緊急検査を行い、これらの子供服に含まれている化学物質ホルムアルデヒドの安全基準を大幅に超えていたのがわかった。
一方、中国国家品質監督検査検疫総局は20日、今年4月に上海へ輸入した米国セント・ジュート・メディカル社が生産した272台の心臓ペースメーカーは誤差が2%を下回ってはいけないとの規定に一致しないため、当局に送還処分されたと発表した。
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