中国江蘇省:危険物積載車が転覆

2007/07/23
更新: 2007/07/23

【大紀元日本7月23日】江蘇省金湖県の国道で28トンの危険化学品を積載したタンクローリーが転覆したため、タンク内の液が漏れるという事故が発生し、当地の千人以上の村民が緊急避難した。ラジオ自由アジア(RFA)の高山記者がレポートした。

7月18日深夜、28トンの化学品―アクリル酸甲樹脂を積載したタンクローリーが横転し、205国道江蘇淮安段の側溝へ入り込んだ。転覆した際タンクのバルブから液が漏れ出した。運転手と護送員二名は負傷。

この事故について金湖県人民政府オフィスへ電話をかけ、当直していたオフィス主任・浦氏にインタビューした。

記者:国道205江蘇淮安段で28トンの危険化学品を積載したタンクローリーが転覆する事故が起きたが、現在周辺の住民はどのような状況か。

浦氏:住民に問題はない。今日の午前中、私はその現場にいた。

記者:では、溢れ出した化学品は処理されたのか。

浦氏:溢れ出てはいない。処理は皆が分担した。何の問題もない、皆家へ戻った。もし広い範囲で漏れ出していたら危険だが、バルブが少し開いただけで、漏れ出したのもほんの少しだけだった。

浦氏の話では公安および消防などの各部門が応急処置をし、事故はすぐに処理されたという。また江蘇省と淮安市の指導部が現場で指揮をとり、化学品中毒を防ぐため付近の3つの村千人余りの村民を一時避難させたという。

記者はさらに淮安交通警察隊に電話をし、状況を確認。

淮安交通警察隊の林さんの話では、事故を起こした車両は東風のタンクローリー車で、南通危険化学品運輸公司に所属しているという。19日晩、事故車両は現場から運ばれて行き、国道の通行は回復し、運転手と護送員は病院で治療を受けており、具体的な事故原因は調査中だという。

南京化工学院の崔克青教授によれば、アクリル酸甲樹脂は危険な化学品で燃えやすく、その蒸気と空気で爆発性の混合物が形成され、引火や高熱により燃焼爆発を引き起こすという。さらに刺激性と毒性を持ち、高濃度のものに触れると口からよだれが出て、目や呼吸器に刺激症状が現れ、重症の場合は死に至る。このような危険物の搬送は関連規定を遵守し、決していい加減に取り扱ってはならないという。