【大紀元日本5月9日】中国湖南省で千人以上の退役軍人が5月8日午前、湖南省政府庁舎前の広場でデモを行った。当局は前もって情報を入手していたため、現場に600~700人の警察を配置し厳戒体制を敷いた。「中国泛藍聯盟」のメンバーである張子●(ツァン・ツー・リン)氏は朝早くから応援に現場に駆けつけたが、8時頃にすでに国保大隊に連行された。(●=雨かんぶりに林)
張氏は連行される前日に記者に対し、同聯盟は5月2日に腐敗を粛清するために、反汚職腐敗の行動チームを設立したことを明らかにした。張氏は、少し前に、政府が非合法に土地を強制収用したことで、事実を調査するために永州市江永県へ出かけたときに、政府関係者は実際に土地開発業者と結託し、農地を強制的に収用したことが分かったと強調した。張氏は、農民たちの生きる術が断たされた上、非合法に当局に連行され判決を下されたこともあったという。張氏は、江永県桃川鎮の村民・周樹民さんが、地元政府関係者の悪行を摘発し、何度も直訴したため、迫害を受け、鎮長に率いられた人々にリンチされ身体障害者になったことを例としてあげた。張氏は、強制的に立ち退きにおいて、官民結託の状況は非常に深刻であるとし、民衆の権利は何の保障もないと訴え、中国民間において、最初の反汚職腐敗機構「反汚職腐敗行動チーム」の設立に至ったと説明した。
一方、デモ現場の民衆の情報によると、省委門庁前は警官や警察車両で埋め尽くされた。警察は2メートルおきに1人ずつ配置され、周辺には巡回する警察が沢山おり、立っている者もいれば、床に座り込んでいる者もいたという。
今回のデモに対して、湖南省の軍人は殆ど全員が参加した。一方、当局は5月1日から参加妨害を図っており、デモと関連のある者は全員監視されるという。前出の張氏および謝福林氏は、5月7日の夜に警察から、デモに介入してはならないと警告の電話を受けた。8日早朝、謝氏の自宅入口付近は派出所の警官に遮られ、外出を禁止された。また、張氏は、午前7時過ぎに現場に到着し、権利を主張する民衆を取材しようとしたが、同8時頃に強制連行された。
記者は長沙市国保大隊へ電話で尋ねたが、何も言わずに一方的に切られたため、張氏の行方は不明のままである。
また、謝氏は「今回のデモ活動中に、当局は3人を連行した。1人が張子●、他の2人の身元は未確認だ。張氏が連行された時、別のメンバーの青召氏からの電話で分かったが、青氏もその後いなくなった。連行された可能性は否定できない」と語った。
現場にいた民衆によると、「現場では暴動に発展した場面はなく、これ以上参加者を連行することもなかったが、デモ活動が終了するまでには、どうなるかわからない」と強調した。