【大紀元日本3月3日】親中共メディア「香港大公報」によると、中国全人大、政治協商会議がまもなく開催されるが、中国軍部は、本年内に、全軍軍官、特に高級将校の住居に対する統一検査を実施するという。これは、胡錦濤が軍に大規模な整理を行う初めての動きである。
第17次全人大(以下17大)を間近に控え、中共内部の権力闘争が次第に激化しており、これが国際的に表面化しつつある。中国の新年を迎えた頃、高耀潔の訪米問題を巡り、胡錦濤は再度江沢民派の地方官員と対立し、国際社会の関心を呼んだ。また、胡錦濤の軍に対する一貫した「反腐敗」戦略の適用は、軍における江沢民派の整理が始まったと見なされている。
住居を全面的に検査
報道によると、中央軍事委員会上層部は、住居検査を今年の活動の重点としており、検査・整理の範囲は陸、海、空軍や第二砲兵に及び、各総部、大軍区、大単位をカバーしている。また、軍は作業グループを組織するとともに、総政紀律部、総後基礎建営房部等の関係部門と共同し、軍官の住居問題について検査を行うこととしている。この重点は、軍職、大軍区の実職にある高級将校の住居に対して検査、整理を行い、「高級将校の住居の基準超過問題を根絶すること」である。
江沢民派勢力の除去
月刊「前哨」の劉達文の見解によると、今回の措置は、江沢民が軍事委員会主席の地位にあった時に残したもの(腐敗)が明らかにされていないことが原因であるという。彼は次のように述べている。「もともと、営房部は、王守業らが責任者の地位にありました。彼らはみな、立派な家を何軒も保有しています」。
江沢民は、任期中に将校らの軍心を篭絡するため、一挙に10数人を将軍に抜擢した。江沢民の軍事委員会主席在任中、軍は道楽のし放題で、腐敗が深刻化するとともに戦闘力が低下し、頻繁に事故が発生していた。
大紀元コラムニストである王一峰の見解によると、中共軍部の腐敗は深刻で、既に後戻りが困難な状況にあるが、これは主として江沢民が遺した「軍事遺産」によるものである。胡錦濤の行動は一石二鳥で、軍における権威を確立するとともに、機に乗じて江沢民、曾慶紅の勢力を除去することができる。
軍が頻繁に警告
今年1月、中共は弾道ミサイルで老朽化した気象衛星を破壊し、多くの国からの譴責を受けた。中共外交部がこの事実の承認を遅延させたことは、江沢民、曾慶紅が依然として影響力を持つ軍による警告的行為であるとの解釈がなされるとともに、胡錦濤が事情を把握していなかったことが国際社会の関心を集め、コントロールを失った中共軍部が無法な行為に出ることが懸念された。
また、今年2月に胡錦濤がアフリカを訪問した際、中共軍部が頻繁に強硬的な言論を発表し、再び国際的な反響を呼んだ。この軍部の言論は、「和平崛起(平和的台頭)」を謳う胡錦濤の面子を潰すためのものであったと見られる。
以前の報道によると、胡錦濤の軍における勢力は、江沢民が育てた腐敗勢力と曾慶紅の太子党人脈には及ばず、軍の統制が胡錦濤の大きな懸念であるという。雑誌「争鳴」1月号の報道によると、胡錦濤は、昨年の中央軍事委員会年末報告会において、党の軍隊に対する絶対的指導を強調した。
また、2006年11月下旬から20日間に、彼は、党の軍隊に対する絶対的指導を強化することを強調した5つの文件を相次いで発出しており、軍に対するコントロールを失うことへの焦りが顕れていた。
将来の不気味な影
2006年、胡錦濤は軍に対する統制権を固めるために一連の措置を取った。この措置の一環として、軍官の賃金を60%~150%引き上げ、10人の上将、32人の中将、115人の少将を昇進させるとともに、異動期に乗じてスタッフの大整理が行われた。
今年2月22日、中共軍事委員会の傘下にある機関紙「解放軍報」は、公開で胡錦濤を支持する文章を掲載するとともに、一部指導者の大局観が希薄であり、自己本位主義、部門保護主義が深刻であるとの稀に見る批判を行った。文章は、指導者幹部は自覚を持って胡錦濤を総書記とする党中央と高度に一致し、中央の権威を守るよう呼びかけた。
王一峰によると、一連の整理で軍における胡錦濤の勢力が強化されており、軍隊の粛清が開始されたという。17大を前にした「高級将校の住居の基準超過問題の根絶」の背後にあるのは、目には見えない血生臭い嵐である。
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