【大紀元日本2月27日】ニューヨーク外交関係協会(CFR)はこのほど、中国は国力を尽くし2008年北京五輪の開催を推し進めていると同時に、国際社会が関心を寄せている中国の環境、人権およびメディアに対する報道規制などの問題にも直面していると分析した。
中国国際放送局の報道によると、中国当局はすでに100億米ドル(約1兆2100億円)を注ぎ、環境保護対策を手がけたという。2001年に北京五輪開催権を獲得してから、中国の大気汚染は毎年、少しずつ改善したとし、その上、「グリーンの五輪」は黄砂の影響で「ブラウンの五輪」にはならないと宣言したという。
しかし、アナリストらは、北京の大気汚染状況について、昨年の1年間で3分の2の時間しか良好と判定されておらず、清浄な空気を保つために、多くの工場及び企業は北京五輪開催期間において、16日間稼動禁止にさせられるという。
一方、北京側は北京五輪のために、報道規制を緩和すると約束し、このほど、報道関係者に対して遵守規則を公布した。今年の1月より、来年の北京五輪開催期間中まで、海外報道関係者は事前に中国当局へ取材申請をせずに自由に中国大陸での取材ができるようにした。実際、英国経済学者雑誌の記者は、湖南省でエイズ患者の取材は一度拒否されたが、最終的に中国外交部が調停に入ってから、ようやく取材できたという。
北京五輪開催時に、約2万人の報道者が取材のために、大陸入りすると予想されている。しかし、中国メディア専門家アッシュリー・イーサレイ氏(Ashley W.Esarey=米国ミドルベリー大学政治学助教授)は、中国共産党が打ち出した方法はすべて試験的なやり方であるとし、大陸メディア自体がもっと多くの自由報道を求めなければ、中国大陸における報道は変わらないとの見解を示した。
また、クリスチャン・サイエンス・モニター誌によると、北京市警察向けの英文手引きには、警察が海外報道関係者に対応する際、必ず「あなたたちはスポーツ報道記者であり、五輪の内容しか報道できない」と指導されているという。ニューヨーク国際保護記者協会の資料によると、中国は世界において、もっとも報道関係者を多く監禁する国であり、昨年は31人の報道関係者が監禁され、それ以上のインターネット報道関係者が監禁されたという。
一方、国際人権監察団体は、北京五輪開催地に在住している約6千人の市民が当局に強制的に立ち退きされたという。メディア関係者はこれらの市民と接触できないため、市民たちは与えられるべき補償を受けたかどうかは知ることができない。このことからにしても、中国当局がメディアに対する審査管理制度の厳しさが伺える。
中国の外国人記者クラブは、北京当局は外国の報道メディアに対して取材の自由を許可したならば、本国の報道メディアに対しても同規則が適用すべきだと主張した。メディア関係者らは、外国報道関係者が中国大陸の至るところで取材が可能となれば、大陸の報道メディアはそれに追随しないわけはないだろうとみている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。