【大紀元日本2月24日】香港は、世界でも出生率(女性一人が生涯に産む子どもの平均数)が最低水準の地域の一つで、香港自治政府もこれまで改善を図ってきたが、香港法廷の下した決断により、ここ1、2年で状況が一変しつつある。2006年、香港では生まれた新生児が6・5万人を上回った。2005年に比べると14%増で、ここ10年間で最高水準だ。その原因は、中国内陸から大勢の妊婦が香港へ押し寄せてきたからだ。
香港政府筋の統計によると、2006年に香港の住民でない父母から出生した新生児は1・6万人余りに上り、前年比69・7%の増加となった。それは香港全体の出生児の約25%を占めた。しかし、大陸籍の妻と香港男性との間に出生した新生児の数は3・8ポイント下がり、1万人余であった。昨年、両方とも香港籍である夫婦の間に出生した新生児の数は4万人弱、2005年に比べると5ポイント上昇した。
香港大学統計学の葉兆輝博士によると、香港の出生率は2005年の0・966人から2006年には1・1人に上がったという。しかし、香港の出産率が上昇したにも関わらず、香港の人口が老年化する現象には歯止めが利かないと警告した。現在の香港の出産率は、人口の「新旧交代」が可能なレベルである出産率2・1人には、遥かに足りないとみている。
葉氏は、2007年に香港は更に多くの子供が生まれるとみている。それは、2007年が中国のいわゆる「金猪年」のため、民間ではこの年に生まれる子供に幸せがついて廻ると信じられているからだ。
中国内陸の妊婦が香港に赴いて子供を生む問題は近ごろ香港市民とメディアの関心を引き起こしている。2001年、香港法廷の判決によると、たとえ出生児の両親が、香港籍ではない住民としても、香港で出生した中国系の血筋であれば、香港の居留権を持てるとされた。
それ以来、中国内陸の妊婦はますます香港へ子供を生みに来るようになった。データによれば、1995年当時、大陸籍の両親から出生した新生児は200人足らずであったが、2006年になると1万6,044人にまで激増した。香港当局は、これに対して重い腰を挙げ制限措置を採ったが、メディアの見方では、大陸妊婦の香港「突入」に陰りが見えることはないという。